ant2マガジン
2024年07月
2024.07.24
ワードサラダと生成AIで作成した文章を利用する時の注意点について
こんにちは。
アントアントのメルマガ担当です。
いつもメールマガジン「ここだけは知っておきたい編」をご覧いただき、誠にありがとうございます。
今回は、SEOに悪影響を及ぼす「ワードサラダ」と「生成AIで作成した文章を利用する時の注意点」についてご紹介します。
ワードサラダとは
かつてはSEOに有効だとされていた「ワードサラダ」、ご存知でしょうか。
自動生成されたテキストや関連性のないキーワード、無意味な言葉を多用して作成されたコンテンツのことをワードサラダと言います。
ワードサラダってどんな文章?
ワードサラダの特徴としては以下があげられます。
- 無意味な単語の羅列: 文法的には正しいが、文全体としては意味がわからない文章
- 関連性のない内容: 単語やフレーズが脈絡なく並んでいる文章
- 不自然な内容: 読み手にとって理解しづらい文章
では、実際に文章でみてみるとどんな文章がワードサラダとされているのか、ワードサラダと判断される文章をご紹介します。
基本的にはどの文章も意味が伝わらない文章になっていることがわかります。
なぜSEO対策として有効とされていたのか
検索エンジンのアルゴリズムが今ほど高度ではなかったことが主な理由とされています。
- キーワードの過度な利用
過去の検索エンジンはキーワードの認識はできていたものの、コンテンツの内容を読み解くことができなかったため、キーワードの頻出に依存していたといわれています。
そのため、ワードサラダはこれを悪用し、大量のキーワードを無意味に使用したページを作成することで検索結果の上位に表示させることができていました。 - 競争の少なさ
インターネット初期には今よりもコンテンツ、Webサイト数が少なく競争が激しくなかったため質の低い手法でも効果があったといわれています。
ワードサラダがSEOに及ぼす悪影響
過去ではSEO対策として有効とされていましたが、今は違います。
ではどんな影響があるのでしょうか。
1.Googleのガイドラインに違反する・検索エンジンのペナルティ
ワードサラダはGoogleが定めるガイドラインの下記に違反するとしています。
キーワードの乱用
キーワードの乱用とは、Google 検索結果のランキングを操作する目的で、ウェブページにキーワードや数字を詰め込むことです。キーワードの乱用では、不自然にリストやグループの形式を使ったり、関連性のない場所でキーワードが記載されたりする傾向があります。キーワードの乱用の例としては、次のようなものが挙げられます。
- 実質的な付加価値のない電話番号の羅列
- ウェブページが特定の都市や地域に関する検索結果の上位に掲載されるようにするために、都市名や地域名を羅列したテキストのブロック
- 同じ単語や語句を不自然なほど繰り返すこと。
Google検索セントラル「Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー:キーワードの乱用」より
大量生成されたコンテンツの不正使用
大量生成されたコンテンツの不正使用の例には次のものがありますが、これらに限定されません。
- 生成 AI ツールまたはその他の同様のツールを使用して、ユーザーにとっての価値を付加することなく大量のページを生成すること
- フィード、検索結果、その他のコンテンツをスクレイピングして、ユーザーにとってほとんど価値がない大量のページを生成すること(類義語生成、翻訳、その他の難読化手法などを使用)
- 複数のウェブページからのコンテンツを、価値を加えることなくつなぎ合わせたり組み合わせたりすること
- コンテンツを大量生成したことを隠す目的で複数のサイトを作成すること
- 検索キーワードは含んでいるものの、閲覧者にとってほとんどまたはまったく意味がないコンテンツのページを大量に作成すること
Google検索セントラル「Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー:大量生成されたコンテンツの不正使用」より
以上のように、同じキーワードを不自然に繰り返すことやWebサイトを訪問するユーザーにとって価値のないコンテンツはガイドラインに違反しているとみなされ、ペナルティを受ける可能性があります。
ペナルティの内容としては、検索結果での表示順位が大幅に下がったり、最悪の場合インデックス削除となる場合があります。
2.訪問ユーザーからの信頼低下・離脱率の増加に繋がる
ワードサラダを使用することは、直接的にWebサイトの信頼低下・離脱率の増加に繋がります。
その理由としては、ユーザーが求めている情報をコンテンツ内で解決策を提供できていないからです。
ユーザーは特定の情報を求めてWebサイトを訪れます。しかし、意味不明なキーワードの羅列(「ワードサラダ」)に遭遇すると、必要な情報を見つけられずにサイトを離れてしまうことが多い傾向にあります。
また、意味不明なキーワードを羅列したWebサイトに対して、ユーザーはどのような印象を持つでしょうか?多くの場合、こうしたサイトは不信感を抱かせ、ブランドイメージの低下や信頼性の喪失を招く可能性が高いでしょう。
「ワードサラダがSEOに及ぼす悪影響」まとめ
ワードサラダは過去にSEO対策として利用されていましたが、現在ではGoogleによってスパム行為と判断され、ペナルティを受けるリスクが高くなっています。
さらに、ワードサラダの使用はWebサイトを訪れたユーザーの信頼を損ない、離脱率を上昇させてしまいます。これらの要因が重なり、結果としてサイトの評価を下げることになります。
このような悪影響を考慮すると、ワードサラダの使用は避けるべきだといえるでしょう。
生成AIで作成した文の利用する時の注意点
ワードサラダとワードサラダがSEOに与える影響についてご紹介してきましたが、今やほとんどの人が使ったことがあるのではないかと思われる生成AIで作成した文章はどうでしょうか?
生成AIで作成した文章であれば安心!と考えている方もいるのではないのでしょうか。
実は安心とは言い切れないのです。生成AIで作成した文章を利用する時にも注意が必要となっています。
生成AIとは?
生成AIとは、ジェネレーティブAIとも呼ばれ、与えられたデータやパターンを用いて、新たなオリジナルデータを生成するAIのことを指します。
生成AIで文章を作成するメリット・デメリット
生成AIで文章やコンテンツを作成する主なメリット・デメリットは、以下があげられます。
メリット
- 短時間で大量に文章を作成することができる
- 新しい視点で文章を作成することができる
デメリット
- ワードサラダの発生リスクがある
- コンテンツの質が人間が作成した場合と比べて劣ることがある
生成AIを利用することでワードサラダが発生する理由
なぜ生成AIを使用することでワードサラダが発生するのでしょうか。
その理由としては、以下のような要因が考えられます。
- データ不足
生成AIは、大量のテキストデータを学習して文章を生成しますが、データが不十分または不適切な場合、意味のない文章を生成することがあります。 - 文脈の理解不足
生成AIは文脈を理解する能力に限度があるため、関連性のない単語やフレーズを繋げてしまうことがあります。 - プロンプト(命令文)の曖昧さ
生成AIにどんな文章を作成してほしいのかなどのプロンプト内容が不十分、不適切な場合は文脈を考えずに文章を作成することがあります。
ワードサラダにならないように注意したいポイント
では、どんなところに注意して生成AIの作成した文章を利用すればいいのでしょうか。
注意したいポイントとしては、以下の3点です。
- 最終チェックは人間が行う
- 必要に応じて修正する
- 学習データの精度を高くする、高いデータを利用する
つまりは、まだまだ生成AIが作成する文章は完全ではないということです。
そのため、現時点では生成AIが作成した文章を利用する時は最終的には人間がチェックした上で利用することをおすすめします。
まとめ
今回は最近では聞かなくなったワードサラダとワードサラダがSEOに与える悪影響、ワードサラダを作ってしまう可能性がある生成AIで作成した文を利用する時の注意点についてご紹介しました。
ワードサラダはGoogleからペナルティを受ける対象となりますので、生成AIを利用して文章を作成する時も十分に注意してコンテンツの作成を行いましょう。
生成AIについて
過去のメルマガでは生成AIとはどういったものか、どんなことができるのか、人気サービスについてご紹介していますので是非あわせてご覧ください。
『生成AIってなに? 従来のAIとの違いと人気サービスの比較』
『生成AI、選ぶポイントと懸念されるリスクを知っていますか?』
2024.07.09
URLの正規化とは?必要性と設定方法について
こんにちは。
アントアントのメルマガ担当です。
いつもメールマガジン「ここだけは知っておきたい編」をご覧いただき、誠にありがとうございます。
今回はGoogleなどの検索結果の上位に表示させるためのSEO対策の1つである「URLの正規化」についてご紹介します。
URLの正規化とは?
URLの正規化とは、同じ内容や似たようなぺージが複数存在する場合に、Googleなどの検索エンジンのクローラーに対して「どのページを評価してほしいかを伝えること」、「評価を受けるURLを1つに統合すること」を指します。
URLの正規化の重要性
URLの正規化が重要とされている主な理由は2つあります。
1.検索順位の評価が分散されることを防ぐ
同じ内容や似た内容のページが複数ある場合、URLの正規化しないまま放置してしまうと、クローラーはURLごとに評価を行うため、重複コンテンツが存在するとして、分散して検索順位の評価を受けてしまう可能性があります。
しかし、URLの正規化を行うと、複数のページの評価を1つのページに集約させることができます。1つのページに評価を集約させることで分散されていた分、評価があがる可能性が高く、SEO対策にも繋がるとされています。
2.クローラビリティ向上
URLの正規化を行うことで、クローラビリティの向上に繋がるといわれています。
クローラビリティとは、簡単に言えば、検索エンジンのクローラーがサイト内を巡回しやすいようにすることです。
同じ内容や似た内容のコンテンツが同じWebサイト内にある場合、URLの正規化がされていないとクローラーがスムーズに巡回できず、似たコンテンツを何回も巡ることになります。
その結果、クローリングが遅くなり検索結果に表示されず、せっかく作成したページに訪問してもらえないということにも繋がります。しかし、URLの正規化を行うことで、同じ内容のコンテンツがあった場合にも「このページが評価してほしいページです」とクローラーに伝えることができます。
クローラーに正しい情報を伝えることで、クローラーの巡回効率を上げることができ、クローラビリティの向上に繋がります。
正規URLを指定すべき理由
また、GoogleはURLの正規化を行うことについて下記のように示しており、サイト管理者にとってもURLの正規化はしておいたほうがいいということがわかります。
- 検索結果でユーザーに表示したい URL を指定するため。
たとえば、ユーザーに緑のワンピースの商品ページにアクセスしてもらえるように、URL として https://example.com/dresses/cocktail?gclid=ABCD ではなく https://www.example.com/dresses/green/greendress.html を選ぶことができます。 - 類似ページや重複ページについてシグナルを統合するため。
これにより、検索エンジンが、個々の URL について得られたシグナル(その URL へのリンクなど)を、優先すべき 1 つの URL に統合できるようになります。つまり、他のサイトからの https://example.com/dresses/cocktail?gclid=ABCD へのシグナルが、https://www.example.com/dresses/green/greendress.html へのリンクに統合されます(後者が正規 URL の場合)。 - 特定のコンテンツのトラッキング指標をシンプルにするため。
URL が複数あると、特定のコンテンツについて指標を統合することが難しくなります。 - 重複するページのクロールに要する時間を削減するため。
サイトのウェブ プレゼンスを高めるには、同じコンテンツと重複するページではなく、新しい(または更新された)ページのクロールに Googlebot が時間をかけるほうが効果的です。
URLの正規化の設定方法
URLの正規化の設定方法には、「301リダイレクト」と「canonicalタグ」の2つがあります。
301リダイレクトでURLの正規化を行う
301リダイレクトとは、アクセスしたURLから自動で別のURLへ恒久的に転送する処理のことを指します。
以下のように同じコンテンツに対して複数のURLでアクセス可能な場合に、301リダイレクトを使用してURLの正規化を行います。
【301リダイレクトでURLの正規化を行うケース】
- サイトリニューアル時
- wwwあり・なし
- index.htmlのあり・なし
- URL末尾の「/」のあり・なし
- URLの冒頭のhttpとhttps
301リダイレクトでのURLの正規化 記述例
■「〇〇〇.com」から「〇〇〇.net」にリダイレクト設定を行う場合
RewriteEngine On
RewriteCond %{HTTP_HOST} ^〇〇〇\.com$ [NC]
RewriteRule ^(.*)$ http://〇〇〇.net/$1 [R=301,L]
■「〇〇〇.com」から「〇〇〇.net」にリダイレクト設定を行う場合
RewriteEngine on
RewriteCond %{ HTTP_HOST} ^〇〇〇.com
RewriteRule ^(.*)$ https://www.〇〇〇.com /$1 [L,R=301]
■「index.html」ありをなしに統一する場合
RewriteEngine on
RewriteCond %{THE_REQUEST} ^.*/index\.html
RewriteRule ^(.*)index.html$ https://www.〇〇〇.com/$1 [R=301,L]
その他どのようなときに301リダイレクトの設定が必要なのかや302リダイレクトとの違いについては、過去のメルマガでご紹介していますので是非ご覧ください。
「canonicalタグ」を使ってURLの正規化を行う
canonicalタグとは、重複したコンテンツが同じWebサイト内にある場合に、Googleの検索エンジンに評価してほしいURLを1つに統合するためのタグです。
計測用のパラメータが付与されている場合やサーバーの利用制限がある場合、.htaccessなどによる301リダイレクトの設定ができない場合に、canonicalタグを使ってURLの正規化を行います。
canonicalタグの記述先
canonicalタグはheadタグと呼ばれる<head>~</head>の中に記述します。
記述方法は、直接HTMLファイルを編集する方法とCMSを利用して記述する方法があります。
記述方法は『canonicalタグでのURLの正規化 記述例』でご紹介していますので、実際にタグを挿入される際は参考にしていただければと思います。
headタグとは
HTMLには、【head】と【body】と呼ばれる2つの要素があり、HTML内の【head】の部分にはユーザーからは見えないWebサイトの情報を埋め込むことができます。
例えば、このような情報をいれることができます。
canonicalタグ以外で<head>~</head>の中に記述することができる情報の一部をご紹介!
- メタタグ(metaタグ)の情報
タイトルタグやメタディスクリプション、メタキーワードなど
メタタグ(metaタグ)を設定することで、検索エンジンに掲載する情報を指定することができます。
メタタグについては、過去のメルマガでご紹介していますのでご覧ください。『メタタグの設定について』 - robots metaタグの情報(クローラー制御)
検索結果に表示させたくないぺージがある場合にクローラーにインデックス(登録)させないようにする「noindex」やサイトのリンクへの巡回を拒否するための「nofollow」などのタグを設定することができます。
robots metaタグについては、過去のメルマガでご紹介していますのでご覧ください。『noindex・nofollow・noarchiveについて』 - 文字コードの指定
文字化けが起きないように「utf-8」などの文字コードを指定することができます。
canonicalタグでのURLの正規化 記述例
■「〇〇〇.com」のURLを正規URLとして検索エンジンに伝える場合
<head>
<link rel="canonical" href="https://〇〇〇.com/">
</head>
■「○○○.com/pageA」と「○○○.com/pageB」があるとき、「○○○.com/pageA」を正規URLとする場合
「○○○.com/pageA」と「○○○.com/pageB」のどちらのページにも下記のURLの正規化の記述を挿入する必要があります。
<head>
<link rel="canonical" href="https://〇〇〇.com/pageA">
</head>
ant2 CMSのURLの正規化の設定方法
301リダイレクト設定の方法
ant2 CMSは、FTPアカウントを発行し、「.htaccess」を編集することで301リダイレクトの設定を行うことができます。
■FTPアカウントの発行方法
FTPアカウントはant2OEMサービスの販売代理店様にご提供している「MULTI管理ツール」と呼ばれる管理画面から発行可能です。
「wwwあり」への正規化の方法
独自ドメインでの公開時には、「wwwなし」で正規化を行っています。(CNAMEを設定して利用する場合を除く)
既に取得されているドメインが「wwwあり」の場合や、名刺に「wwwあり」で表記されている場合など、「wwwあり」で正規化されたい時には、「MULTI管理ツール」から「wwwあり」に正規化することができます。
※独自ドメイン利用の弊社ネームサーバーをご利用時のみ設定が可能です。
※外部ネームサーバーをご利用時は、wwwあり、wwwなしを自動的に判断するため、「ドメイン正規化」の項目は表示されません。
canonicalタグの設定方法
ant2 CMSでは、簡単にheadタグの中にcanonicalタグを設定することができます。
■ant2 CMSでのcanonicalタグの挿入箇所
サイト全体に設定したいのか、ページごとに設定されたいのかによって挿入する箇所が異なります。
◎サイト全体に設定したいとき
- [アクセス解析の設定ダイアログ]から設定
挿入箇所:アクセス解析の設定ダイアログの[コード設定タブ]の[その他のトラッキングコード]項目内の「</HEAD>直前」
適用範囲:サイト公開後、公開サイトの全ページに適用されます。
- [Google Search Console設定ダイアログ]から設定
挿入箇所:Google Search Consoleの設定の「メタタグ」項目
適用範囲:編集サイト、公開サイトの全ページに適用されます。
◎ぺージに設定したいとき
- [メタタグ設定ダイアログ]から設定
挿入箇所:各ページのメタタグの設定の[追加タグ設定]タブの「</HEAD>直前」項目
適用範囲:サイト公開後、設定したURLのページの編集サイト、公開サイトに適用されます。
URLが正規化されているか確認する方法
1.Google Search Consoleにアクセス
2.Google Search Consoleに登録しているサイトのURLを画面上部の検索欄に入力する
3.「ページのインデックス登録」から 「ユーザーが指定した正規URL」と「Googleが選択した正規URL」を確認する
リダイレクトで正規URLが設定されている場合
canonicalタグで正規URLが設定されている場合
※「ユーザーが指定した正規URL」と「Googleが選択した正規URL」が異なる場合は、どちらのURLもアクセスできる状態になっているため、URLの正規化が必要と判断されますので、ご紹介している方法でURLの正規化をお試しください。
Google Search Consoleについては、過去のメルマガでant2 CMSとの連携方法やGoogle Search Consoleを登録することでなにができるのかをご紹介していますのでこちらも併せてご覧ください。
『簡単に設定!ant2 CMSでできるSEO対策(2)-クローラーの巡回を促す-』
『Google Search Consoleについて』
まとめ
今回はGoogleなどの検索結果の上位に表示させるためのSEO対策の1つである「URLの正規化」についてご紹介しました。
URLの正規化はSEO対策を意識していないと放置してしまいがちの問題ですが、重複コンテンツは評価を下げる対象となります。
是非、この機会にGoogle Search Consoleに登録し、URLの正規化が必要かどうかを確認してみてはいかがでしょうか。
- 1 / 1