ant2 CMSコラム
2024年08月
2024.08.08
CMS導入のデメリットとは?Web担当者が押さえるべきポイントと回避策をわかりやすく解説
顧客はもちろん、採用・株主など全てのステークホルダーとの接点となるWebサイトは、近年ますますその重要性が高まっています。スピーディな情報更新が求められる中、その更新作業の手間とコストを大幅にカットできるCMS(Content Management System)は、企業活動に欠かせないものになっています。
CMSには数多くのメリットが存在する一方で、当然デメリットも存在します。企業のWeb担当者としてCMSの導入を検討している方にとって、その利便性だけでなくデメリットについても正しく理解した上で、自社のビジネスにとって最適な選択肢を選ぶことが肝要です。
本記事では、CMSを導入する際に直面しがちなデメリットを詳しく解説します。具体的には、学習コストやカスタマイズの自由度、維持管理にかかる手間、セキュリティリスク、そしてイレギュラーなページが作りにくい点について取り上げ、それらのデメリットを回避するための具体的な対策も紹介します。
CMSとは:定義と利用シーン
CMSは「コンテンツ・マネジメント・システム」という原語が意味する通り、Webコンテンツを簡単に作成、編集、管理できるソフトウェアです。HTMLやCSSの知識がなくても、ユーザーはコンテンツをドラッグ&ドロップやテンプレートを用いて構築することができます。主に企業のコーポレートサイトやブログ、ECサイトなどで活用されています。
CMSの基本的な機能
代表的なCMSには、次のような基本的な機能があります。
- コンテンツ編集機能:リッチテキストエディタを使って、テキストの装飾や画像の挿入が簡単に行える。
- テンプレート管理:サイト全体のデザインを統一するためのテンプレートの利用が可能。
- ユーザー管理:複数のユーザーがそれぞれ異なる権限でコンテンツの作成・編集が行える。
- プラグイン追加:必要に応じて機能を追加できるプラグインが利用可能。
CMSの利用シーン
CMSがどのような場面で活用されるかを具体例を挙げて説明します。
利用シーン | 詳細 |
---|---|
企業のコーポレートサイト | 手軽に更新・修正ができるため、最新の情報を常に発信できます。また、デザインの一貫性が保たれ、ブランドイメージの向上にも寄与します。 |
ブログ | 個人から企業まで幅広く利用されており、多彩なテンプレートやプラグインにより、記事の公開が迅速かつ容易に行えます。 |
ECサイト | 商品の掲載や更新がスムーズに行えるため、販促活動の効率化が図れます。また、ショッピングカートや決済システムとの連携が簡単に設定できます。 |
主要なCMSの紹介
以下に、代表的なCMSをいくつか紹介します:
- WordPress:世界中で最も利用されているCMSで、多様なプラグインとテンプレートが揃っています。
- Joomla!:複雑なサイト構築が可能で、企業や非営利団体のウェブサイトに適しています。
- Drupal:柔軟なカスタマイズが可能で、大規模なWebサイトに向いています。
以上のように、CMSはさまざまな用途に対応しているため、自社のニーズに合ったものを選択することが重要です。また、導入後も適切に運用し、デメリットを最小限に抑える工夫が求められます。
CMS導入のデメリット
さて、ここから企業のWeb担当者が押さえておきたい、CMS導入のデメリットについて解説していきます。
デメリット1:学習コストが高い
新しいシステムへの習熟が必要
CMSはさまざまな機能が搭載されており、それを十分に活用するためには新しいシステムへの習熟が必要となります。新しいインターフェースやツールの使い方を学ぶことは、特に初めてのユーザーにとっては時間と労力を要する負担です。
また、新しいメンバーが入ってくるたびに既存の社員やシステム担当者がCMSの使い方を指導する必要があれば、その指導コストも都度考慮に入れる必要があります。
操作が複雑になるケースも
多機能なCMSは便利ですが、一方で操作の複雑化につながることもあります。特に、専門的な知識がないユーザーにとっては高度なカスタマイズを行う際に使いにくさを感じることも少なくありません。
将来的に用途が広がることも想定して、高額で多機能なツールを選定したばかりに、結局誰も使いこなすことができずに放置状態になってしまう。ということは往々にして起こりがちなので、メンバーのデジタルリテラシーなども考慮した上で選ぶようにしましょう。
デメリット2:カスタマイズの自由度が限られる
プラグインやテーマの制約
CMSにはプラグインやテーマが多数提供されていますが、すべてのニーズに対応するわけではありません。特定の機能を持つプラグインやデザインを実現するためのテーマが見つからない場合、思い描いているサイトを作るのは難しくなるため、なるべく多くの種類が揃っているCMSを選んでおく方が安心です。
企業のWebサイト構築を目的に開発された商用CMSであれば、各業種ごとに最適なデザインテーマや必要な機能が一通り揃っていることが多いので、使っている最中に出てきた新たなニーズにも多くの場合は対応できることが多いでしょう。
技術的なスキルが必要になる場合がある
専門的なプログラミング知識がなくてもWebサイトを制作できるのがCMSの最大のメリットですが、業務を進めていく中でどうしても変更したい要素が出てくることがあります。そうした高度なカスタマイズを行うためには、HTML、CSS、JavaScriptなどの技術的なスキルが要求されます。
社内にエンジニアなどの専門家がいない場合は、その部分を外注で補う必要がありますが、当然一定の費用が発生します。なるべく柔軟に変更できるCMSを選ぶことでこうした出費は最小限に抑えることができます。
カスタマイズを重ねることによるパフォーマンスへの影響
多くのカスタマイズを重ねることで、サイトのパフォーマンスに影響が出ることがあります。たとえばプラグインやテーマを追加することでサイトの読み込み速度が低下する場合もあり、ユーザーエクスペリエンスに悪影響を及ぼすことがあります。
オープンソース型CMSの場合、プラグインは数えきれないほど開発されていますが、手当たり次第に追加していくとパフォーマンス低下を招くこともあるため必要最小限の機能追加に留めておくのが安全です。
デメリット3:維持管理に手間とコストがかかる
定期的なアップデートが必要
CMSのソフトウェアは定期的にアップデートが提供されます。このアップデートを行わないと、新しいセキュリティリスクに対応できないため、無視するわけにはいきません。しかし、アップデート作業は手間がかかり、場合によってはWebサイトの機能に影響を与えることもあります。
セキュリティ対策の維持
最新のセキュリティ対策を維持するためには、継続的なモニタリングと対応が必要です。これにもリソースと時間がかかります。これはもちろんCMSを使わないWebサイトでも同様ですが、セキュリティ対策を怠るとデータの漏洩や改ざんなどのリスクが発生するため、サイトを運営する以上は避けては通れない作業になります。
サポートコストの発生
運用上のトラブルや問題が発生した際には、専門的なサポートを受けるためのコストがかかります。特に中小企業にとっては大きな負担となることがあります。
特にサポートチームが常駐していることが少ないオープンソースCMSの場合、コミュニティのアドバイスを受けることは可能ですが、個別のピンポイントの問題に対してビビッドな回答を得ることは容易ではありません。商用CMSであれば充実したサポート体制を持つCMSも多いため、企業サイトなどの制作には商用CMSの方が安心です。
デメリット4:セキュリティリスクがある
脆弱性が発見される可能性
CMSは多くのユーザーに利用されているため、脆弱性が発見されやすくなります。脆弱性が悪用されると、ウェブサイトが攻撃を受けるリスクが高まります。
特にWordPressはインターネット上の全Webサイトの約40%を占めるといわれており、ハッカーから狙われる可能性も高いといわれています。ログイン画面のURLを変更できるセキュリティツールをはじめ、サイト制作前に万全のセキュリティ対策をとる必要があります。
プラグインやテーマの安全性も確認すべき
CMSの機能拡張として多用されるプラグインやテーマも同様に脆弱性が存在する可能性があります。導入前に十分な安全性を検証する必要があります。
世界中の有志が開発するオープンソース型のCMSの場合、プラグインの開発者の身元も不明になるのでどうしても不安は残ります。企業サイトなど確実性が求められるサイト制作には商用CMSの利用が安心です。
デメリット5:イレギュラーなページが作りにくい
独自レイアウトの制約
CMSの既存テンプレートでは、特定のデザインやレイアウトを実現するのが難しい場合があります。独自のレイアウトを実現するためには、カスタマイズが必要になりますが、それにはプログラミングなどの高い専門知識が要求されます。
ただ、CMSによってレイアウトの多様性は大きく異なるため、豊富なレイアウトパターンを持つCMSを選択することでコンテンツ制作に自由度を持たせられ、読者にも毎回新鮮な印象を与えることができるでしょう。
一貫性の維持が困難
多くのカスタマイズを行うと、サイト全体の一貫性を維持するのが難しくなります。異なるデザインや機能が混在する状態になることで、ユーザー体験が損なわれる可能性があります。
小さなカスタマイズでも、サイトを長期に運営していくと次第に大きな乖離につながっていくため、作業ごとに目的や変更内容などのログを残しておくことが重要です。
デメリットを回避するための対策
学習コストを抑えるための対策
学習コストを抑えるためには、何よりも説明書なしで操作性が理解できる直感的なCMSを選択する必要があります。それが難しい場合、以下のような学習方法でそれを補うことが可能です。
- オンラインチュートリアルや動画講座を活用する
- 専門書籍や公式ドキュメントを参照する
- 社内での勉強会やトレーニングセッションを実施する
- 外部のセミナーやワークショップに参加する
- AIチャットボットでリアルタイムにサポートしてくれる機能を使う
動画講座の一例として、Udemyなどのプラットフォームを利用すると、短期間で必要なスキルを取得できます。
カスタマイズの自由度が限られることについての対策
カスタマイズの自由度を確保するためには、そもそも多様なデザインパーツなどを備えたCMSを選択すべきです。既存のCMSのカスタマイズの自由度を向上させるためには、以下の方法が挙げられます。
対策 | 説明 |
---|---|
プラグインの選定 | 高評価で信頼性の高いプラグインを選ぶことで、機能拡張が容易になります。 |
カスタムコードの利用 | 必要に応じて独自のコードを追加することで、希望する機能を実装することが可能です。 |
専門家の助言 | Web開発の専門家やフリーランスに依頼して、カスタマイズの支援を受けることも検討しましょう。 |
維持管理にかかる手間とコストへの対策
維持管理の手間やコストを抑えるためには、以下の対策があります。
- 自動更新機能の活用:多くのCMSには自動更新機能が備わっています。この機能を活用することで、手動での更新作業を減らせます。
- 定期的なバックアップ:定期的にバックアップを取ることで、システム障害やデータ消失のリスクに備えられます。バックアップの取り忘れを防ぐため、自動バックアップのシステムも活用しましょう。
- メンテナンスのアウトソーシング:専門の業者にメンテナンスを依頼することで、時間とコストを節約できます。
セキュリティリスクへの対策
セキュリティリスクには常に注意が必要です。以下の対策を講じることで、リスクを最小限に抑えましょう。
- 定期的なセキュリティアップデート:公開されているセキュリティパッチを即時適用することで、脆弱性を早期に解消します。対応が遅れると、その分リスクにつながるので日時を決めて抜け漏れなく対応できる体制を整えることが肝要です。
- 強固なパスワードポリシーの設定:強力なパスワードを利用し、定期的に変更することで、アカウントの乗っ取りを防ぎます。退職者などからの漏洩も想定されるため、人員の入れ替わりのタイミングでもパスワード変更のルーティンを組んでおきましょう。
- 二要素認証(2FA)の導入:二段階の認証プロセスを追加することで、セキュリティを強化します。
イレギュラーなページが作りにくいことへの対策
不規則なレイアウトや特殊機能を持つページを作成するには、以下のアプローチを検討してください。
- カスタムテンプレートの作成:テーマの柔軟性が不足している場合、独自のカスタムテンプレートを作成することも選択肢のひとつです。
- プラグインの追加機能を活用:イレギュラーなページを簡単に作成することができるプラグインを利用します。
- ショートコードの活用:簡単なコーディングで特定の機能やレイアウトを挿入することが可能です。
特に、カスタムテンプレートの作成は、難易度が高くても一度設定すれば繰り返し利用可能で、長期的なコスト削減にもつながります。
デメリットを最小化する選択:安心で高機能、リーズナブルな商用CMS:ant2
多くのメリットがある一方で、デメリットも存在するCMS。企業のWebサイト制作には、思わぬトラブルが起きた際も冷静・速やかに対処できる信頼性の高いCMSを選びたいもの。国内28,000サイトに導入されている国産CMS「ant2」は、多くの日本のユーザーの声に磨かれた安心のサービスです。
まず、気になる学習コストについては直感的な操作性を追求したUIになっているので最小限に抑えられます。クリック・ダブルクリックだけでサクサク制作が進んでいくので、デジタルが苦手な人でも安心です。
セキュリティ面についても、常時SSL化、ログイン時の2段階認証、reCAPTCHAによるスパム対策、定期的な脆弱性チェック、月次の自動アップデートなど、サイバー攻撃に対する備えが万全です。
さらに、430種類のパーツを備えており、HTMLの知識がなくても自由なレイアウトが可能でイレギュラーなページ制作にも対応。写真を横に3枚並べたり、写真と文章を並列に配置するなど、視覚的に印象的なページを簡単に作成できます。一般的なブログサイトは、写真とテキストを縦に並べることしかできないものが多いため、見た目で差別化を図れます。
加えて、500以上のデザインテンプレートやECショップ機能、無料のイメージ画像や画像加工ツールなども完備されています。サイト制作中に出てくる「あれもしたい」「これもしたい」という要望を、追加費用なしで叶えることができます。
また、CMSのOEM販売に力を入れている点も特徴で、既に330社を超える代理店様が日々、自社の顧客にWebサイト制作のサービスを提供しています。
まとめ
CMS導入には多くのメリットがありますが、同時にいくつかのデメリットも存在します。学習コストが高い点、カスタマイズの自由度が限られること、維持管理に手間とコストがかかること、セキュリティリスク、そしてイレギュラーなページが作りにくい点などが挙げられます。
しかし、これらのデメリットは対応策を講じることで回避可能です。たとえば、ユーザー教育の充実やセキュリティ対策の強化、定期的な管理の徹底などが有効です。結局のところ、自社のニーズに合わせた適切なCMSを選択し、デメリットを把握した上で適切な対策を講じることで、CMSが本来持つメリットを最大限享受できます。
2024.08.07
CMS導入の10個のメリットとは?Webサイト運営の効率化の理由をわかりやすく解説
企業の情報発信の基点となるWebサイトは、タイムリーな情報発信が何より重要です。特にBtoBのビジネス取引の場合、見込み顧客はWeb上の情報収集によってコンタクト前に概ね検討・絞り込みを完了しており、商談は最終選考に残った1-2社の「最終確認」の場となっています。Web上での情報戦に遅れることは、すなわち競合に遅れをとるということを意味します。
タイムリーな情報発信をするには、Webサイトを効率的に管理・運用することが必要ですが、それを実現するのがコンテンツ管理システム「CMS(Content Management System)」です。CMSを使うことで、ブログを更新するようにいつでも誰でも、瞬時にWebサイトを更新できるようになります。
本記事では、CMSを導入することによって得られる多数のメリットを詳しく解説します。CMSのその活用方法や導入のポイント、どのようにビジネスの成長をサポートするのかを説明します。また、CMSの種類別の特徴やそれぞれのメリット・デメリットも紹介し、具体的なCMS選びの参考になる情報を提供します。
CMSの基本理解と導入のポイント
CMSを導入することでHTMLなどの専門知識がなくても、記事の追加や編集、画像のアップロードなどが直感的に行えるようになります。CMSと一言でいっても世の中には様々な種類のCMSがあり、自社に適したCMS選びは最初のハードルとなります。CMSはそれぞれ目的をもって開発されていますので、自社が作りたいWebサイトの目的に合ったCMSを選択する必要があります。
CMSを導入する際には、以下のポイントを押さえる必要があります。
- 自社の目的や目標を明確にする:
企業のブランド強化や商品情報の迅速な更新など、何をするためのCMSなのかを明確にします。 - 使用するスタッフの技術レベルを確認する:
デジタルのリテラシーは世代・個人によって大きな違いがあるため、技術スキルが異なるスタッフにも使いやすいツールを選びます。 - 必要な機能と拡張性をチェックする:
今現在のニーズだけでなく、将来的に新たにやりたいことが出てきた際の拡張性や追加機能に対応できるかも重要です。 - 予算に合ったCMSを選ぶ:
無料のものから有料の高機能なものまで幅広く存在します。企業のWebサイトであれば有料でサポートも充実しているCMSを選んだ方が安心でしょう。 - サポート体制やコミュニティの有無を確認する:
困ったときに助けを得やすいかどうかも重要なポイントです。コミュニティでの支援はタイムラグもあるので、クイックなサポートが必要な場合はサポート窓口を備えたサービスを選択するのが安心です。
CMS導入10のメリット
さて、いよいよ本記事のメインテーマである「CMS導入のメリット」についてお伝えしていきます。
メリット1:テンプレート利用でデザインと更新が簡単
CMSを利用すると、あらかじめ用意されたテンプレートを使って誰でも簡単にデザインやレイアウトを設定することができます。これにより、専門的なデザインスキルがなくても美しいWebサイトを構築できます。WordPressやJoomlaなど、多くのCMSは多様な有償・無償のテンプレートを提供しており、その選択肢は豊富です。
ゼロからWebサイトのデザイン・コーディングを行う場合、膨大な時間と制作費が発生しますが、CMSのテンプレートを使うことでこれらのコストを大幅にカットすることができます。部分的に見せ方を変えたい場合は、カスタムCSSなどに追記することでカスタマイズできるテンプレートもあります。
メリット2:SEO対策に最適な内部構造が標準装備
SEOにはGoogleに理解されやすいサイト構造を整える「内部施策」と、評価の高いサイトからの外部リンクを受けるなどの「外部施策」に大別されます。多くのCMSはSEO対策を考慮した内部構造をあらかじめ備えており、検索エンジンに最適化されたページを簡単に作成できます。たとえば、適切なメタタグの自動生成やURL構造の最適化、モバイルフレンドリーなデザインが含まれます。これらは後から最適化しようとすると大変な作業になるので、あらかじめ配慮された内部構造を持つCMSを導入すると安心です。
WordPressであれば「Yoast SEO」というプラグインを利用することで、タイトルタグやメタディスクリプションの最適化、XMLサイトマップの生成が簡単に行えます。これにより、Google検索結果で上位表示される可能性が高まり、Webサイトへのアクセス数が増加するでしょう。
メリット3:業務の分担が容易に行える機能
多くのCMSは複数のユーザーが役割分担して作業できるユーザー管理機能を備えています。これにより、記事の作成、デザインの修正、SEO対策などの作業を分担することが容易になり、外部スタッフを含めたチームでの効率的なサイト運営が実現します。
たとえば、WordPressのユーザーロール機能を使えば、管理者、編集者、寄稿者など異なる権限を設定し、各ユーザーが必要な作業のみ行えるように制限できます。これにより、ミスや混乱、またセキュリティ面でのトラブルを防ぎ、効率的な運営が可能となります。
メリット4:セキュリティ対策も万全で手間いらず
多くのCMSは最新のセキュリティ技術を取り入れており、定期的なアップデートで脆弱性を低減しています。これにより、運営者はセキュリティ対策にかかる手間を大幅に削減できます。また、外部のセキュリティサービスと連携することで、さらに安全性を高めることができます。
たとえば、WordPressでは「Wordfence」などのセキュリティプラグインを利用することで、ファイアウォール設定やマルウェアスキャンを自動化し、サイトを攻撃から守ることができます。
メリット5:リンク切れや404エラーを防ぐ仕組み
CMSはリンク切れや404エラーを自動的に検出・修正する機能を持っています。たとえば、URLが変更された場合でもリダイレクト設定を簡単に行うことができ、訪問者がエラーに遭遇するリスクを軽減します。これにより、ユーザーエクスペリエンスの向上が期待できると同時に、検索エンジンからネガティブな評価を受けるリスクも低減します。
メリット6:複数のドメインを一元管理可能
複数のドメインを持つ企業の場合、管理が煩雑になりますが、CMSを使うことで一元的に管理することが可能です。これにより、ドメインごとに異なるサイトを持つ場合でも、一つのダッシュボードから管理でき、各サイトのテーマやプラグインを効率的に設定できます。コンテンツの更新や管理が一箇所で行えるため、運営効率が大幅に向上します。
メリット7:権限設定と更新履歴を効率的に管理
CMSには権限設定や更新履歴の管理機能が組み込まれており、誰がどのような変更を加えたのかを常に把握することが可能です。権限設定により、特定の役割に応じてアクセス制限を設けることができ、セキュリティ面でも安心です。また、更新履歴の確認が容易なため、誤った変更があってもすぐに元に戻すことができます。
たとえば、WordPressのエディターでは下部にあるリビジョンというエリアに過去のコンテンツの更新ログが記録されており、過去の状態に戻すことも簡単にできます。またJoomlaの「ACL(アクセスコントロールリスト)」機能を使えば、細かい権限設定が可能で、コンテンツ作成者、編集者、管理者などに分けて管理できます。
メリット8:Webサイトのデザインに統一感が出る
テンプレートやデザインガイドラインを活用することで、Webサイト全体に統一感のあるデザインを維持できます。これは、訪問者に対してプロフェッショナルな印象を与えるだけでなく、ブランドイメージの統一にもつながります。
たとえば、Drupalの「テーマ」機能を活用すれば、一度設定したデザインガイドラインを全ページに適用することができ、統一感のあるサイトを簡単に構築できます。
メリット9:外注費用が抑えられる
CMSを活用することで、自社内でのコンテンツ作成や更新が容易に行えるため、外部のデザイン会社や開発会社に依頼する頻度が減り、経費削減が可能です。また、簡単な修正作業であれば、自分たちで行うことができるため、迅速かつコストを抑えた運営が可能になります。「費用」「時間」のダブルでコストカットできることが、CMSの大きなメリットの一つです。
たとえば簡単なサイト修正の場合、外注だと数日・数万円が発生します。一方でCMSを活用すれば即時に修正完了し、費用もその社員の作業時間にあたる人件費だけで抑えられます。
メリット10:マルチデバイスに対応できる
現代のWebサイトはPCだけでなく、スマートフォンやタブレットなど様々なデバイスで閲覧されます。多くのCMSはレスポンシブデザインを標準で取り入れており、どのデバイスでも最適な表示が可能です。特にスマホ対応の重要性が高まり、SEO評価もMFI(モバイルファーストインデックス)が基本となっている中、この機能は必須です。
CMSのデメリットとその対策
セキュリティリスクとその予防法
CMSは多くのユーザーが利用するため、ハッカーにその脆弱性が狙われやすいです。特にオープンソースのCMSはオープンなソースコードが公開されているため、セキュリティ対策が不十分だとハッキングのリスクが高くなります。WordPressなどの人気CMSは攻撃対象になりやすいと言われています。
対策としては、最新のセキュリティパッチを適用すること、あるいは万全のセキュリティ対策が施された商用CMSを利用することが考えられます。また、強力なパスワードを設定し、プラグインやテーマは公式なものや信頼できるソースからのみインストールするようにしましょう。定期的なバックアップも重要であり、バックアップをクラウドやローカルに保存することが推奨されます。
イレギュラーなページ制作が行いにくい
CMSはテンプレートを利用してページを作成するため、デザインの自由度が制限されることがあります。特別なデザインやレイアウトを必要とするページを作りたい場合、CMSでは限界があるかもしれません。特定のビジュアル表現が強く求められるWebサイトでは、この制約が問題となります。
この問題に対する対策は、カスタマイズ性の高いCMSを選ぶか、プラグインやカスタムコードを用いて柔軟に対応することです。HTMLやCSS、JavaScriptに精通したデザイナーや開発者に依頼することで、CMSのテンプレートデザインをベースにより自由なデザインを実現できます。
ローカルデータの欠如について
クラウド型CMSでは、全てのデータがリモートサーバーに保管されるため、インターネット接続がないとデータにアクセスできないという問題があります。このため、オフラインでの作業が困難であり、接続トラブルが業務に影響を及ぼす可能性があります。
また、データのバックアップがユーザーの手元になく、サーバー側に依存するため、サーバーのダウンタイムが発生すると大きなダメージを受けるリスクがあります。このリスクは特に信頼性の低いホスティングサービスを利用する場合に顕著です。
対策としては、定期的にデータバックアップをローカル環境や別のクラウドサービスに保存することが重要です。さらに、クラウド型CMSを利用する際には信頼性の高いホスティングプロバイダーを選定し、サービスの稼働率やレビューを確認することが推奨されます。
具体例として、Google DriveやDropboxなどのクラウドストレージサービスを使用して、自動バックアップを設定することが挙げられます。このようにすることで、サーバーのダウンタイム時にも迅速にデータの復旧が可能になります。
カスタマイズ時の費用がかかる場合がある
CMSは基本的な機能は無料で提供されている場合が多いですが、特定の機能を追加したり独自のデザインを適用する際には追加費用が発生することがあります。特に、有料のプラグインやテーマを使用する場合や、専門的なカスタマイズが必要な場合には、開発者への依頼費がかかります。
この問題に対処するためには、事前に必要な機能とそのコストを詳しくリサーチすることが重要です。可能な限り無料のリソースやオープンソースのツールを活用することでコストを抑えることができます。また、将来的な機能拡張のための予算をあらかじめ計画に盛り込んでおくことで、突発的な費用発生に対処しやすくなります。
CMSの種類別のメリットとデメリット
クラウド型CMSの利点と弱点
ベンダーが管理するクラウド上でCMSのソフトウェアを動かすクラウド型CMSはまず、初期費用が安いことが多い点が挙げられます。また、既に開発が終わったサービスを利用するのでスピーディにサイト制作が開始できます。また常に最新のバージョンで作業できることも魅力のひとつです。
一方で、サービスによってはサポート体制が整っていなかったり、カスタマイズがしにくいなどのデメリットがある場合もあるので、慎重に検討する必要があります。
オープンソース型CMSの利点と弱点
ソースコードを無償で公開しているオープンソース型CMSの強みは、世界中のユーザーからのフィードバックを常に受けているため、バージョンの更新速度が速い点です。また、ライセンス費用がかからない点や、充実した拡張機能によってカスタマイズの自由度が高い点などが挙げられます。
一方でセキュリティ面での不安やサポート体制の弱さなどのデメリットがあります。また、初期の導入費用はかからなくてもカスタマイズの過程で専門家に頼る必要があれば相応の費用が発生することも想定しておく必要があります。
安心で高機能、かつリーズナブルな商用CMS:ant2
CMSには数多くのメリットがあるのと同時に、デメリットも存在します。企業のWebサイト制作に活用するならなるべく安心して使えるCMSを選びたいもの。国内28,000サイトに導入されている国産CMS「ant2」なら、数多くの日本のユーザーの声に磨かれてきたサービスなので安心です。
まず何よりも気になるセキュリティ面ですが、デフォルトで常時SSL化の設定がなされている上に、ログイン時の2段階認証機能を設定することも可能。またreCAPTCHAによるスパム対策や定期的な脆弱性チェック、また毎月の自動アップデートも行われるので、近年増加しているサイバー攻撃への備えも万全です。
また430種類ものパーツを備えることで、イレギュラーなページ制作にも対応。写真を横3枚に並べたり写真と文章を並列に並べたいなど、HTML知識なしで自由自在のレイアウトが可能です。一般的なブログサイトは写真とテキストを縦積みにレイアウトすることしかできないものがほとんどなので、読者に「見た目」でパッと違いを印象付けられます。
上記に加え、500以上のデザインテンプレートやECショップ機能、また無料で使えるイメージ画像や画像加工ツールなども完備。サイトを制作していく中で出てくる「あれもしたい」や「これもしたい」を追加費用なしで叶えられる嬉しいサービスです。
また、CMSのOEM販売に力を入れている点も特徴で、既に330社を超える代理店様が日々、自社の顧客にWebサイト制作のサービスを提供しています。
まとめ
CMS導入のメリットは極めて多岐にわたり、Webサイト運営における効率化と安全性向上に大いに貢献します。特にテンプレートの利用によるデザインと更新の簡便さや、SEO対策に有利な内部構造、業務分担機能の充実、セキュリティ対策の自動化などが主要なメリットとして挙げられます。
一方で、セキュリティリスクやカスタマイズの制限といったデメリットも存在しますが、適切な対策を講じることで十分に克服可能です。クラウド型、オープンソース型の各CMSにはそれぞれ長所と短所があり、目的に応じた最適な選択が重要です。企業や個人ブログ、オンラインショップでの導入事例も豊富に存在し、多くの成功体験が報告されています。
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