ant2 CMSコラム
2024年07月
2024.07.26
CMSの基本的な機能を一覧でわかりやすく解説。導入メリットや無料ツールの注意点とは?
ますます競争の激しくなる高度情報社会において競合に「先手」をとるためには、企業は更新性の高いWebサイトを備える必要があります。そしてWebサイトの更新作業をスピーディに行うためにはCMSの様々な機能を使う必要があります。誰でも簡単に、出したい情報をWebサイト上に出せる状態にすることで、顧客に対してタイムリーな情報提供が可能になります。
また昨今、具体的な問題意識を持つ顕在顧客への接点づくりの手段として注目されているコンテンツマーケティングやSEO(検索エンジン最適化)にもCMSの機能は欠かせないものになっています。本記事では、CMSの基本的な機能を網羅的に詳しく解説し、導入のメリットや無料ツールの注意点についても網羅的に説明します。
これにより、適切なCMS選びのための知識を深め、効率的で効果的なWeb管理の方法を学ぶことができます。CMS導入において重要なポイントを理解し、自社に最適なツールを選ぶための第一歩としてご活用ください。
CMSとは何か
CMSの定義
CMS(Content Management System)は、Webサイトのコンテンツを効果的・効率的に管理・運用するためのツールです。文章や画像、動画などのコンテンツをプログラミングやデザインなどの専門知識がなくても作成・編集・公開できるため、多くの企業や個人が利用しています。コーディングの知識がなくても、Webページの内容を更新できるのが最大の魅力です。
CMSは、ユーザーがWebサイトを更新したり、コンテンツを追加・削除したりする際に、一貫したデザインとフォーマットを保つことを可能にします。これにより、企業のブランディング戦略を効果的に実施できます。さらに作業時間・外注費などのコストも大幅に削減できるというメリットもあります。
CMSの種類と特徴
CMSには様々な種類があり、用途や目的によって選ぶべきものが異なります。以下に代表的なCMSの種類を挙げ、その特徴を説明します。
種類 | 特徴 |
---|---|
オープンソースCMS | 無料で利用できるが、設定やカスタマイズには一定の技術知識が必要。 例:WordPress、Joomla、Drupal |
商用CMS | 有料で提供され、サポートが充実している。企業のニーズに応じた高機能が特徴。 例:ant2、Adobe Experience Manager、Sitecore |
CMS導入によってできること
CMSの導入により、以下のようなことが可能になります。
Webサイトの内容を簡単に更新・編集
CMSを利用すると、直感的なインターフェースを通じて、Webサイトの内容を簡単に更新・編集できます。ドラッグ&ドロップ操作やWYSIWYGエディタによって、専門知識がなくても手軽に記事やページを作成できます。
誰でもウェブページの管理が可能
専門知識が不要なので、誰でもWebページの管理が可能となります。これにより、業務の中でウェブサイトの更新が必要な場合でも、エンジニアやデザイナーなど他部署のリソース調整をすることなく迅速に対応できます。
Webサイトの性能を向上
多くの機能とプラグインを利用して、Webサイトの性能を向上させることができます。SEO対策やソーシャルメディアとの連携、フォーム作成ツールなど、多岐にわたる機能が標準で含まれています。
複数ユーザーでの同時作業
複数のユーザーが同時に作業できるため、作業の効率化が図れます。ユーザー権限を設定することで、管理者だけでなく、ライターや編集者などの役割分担も容易に行え、外部スタッフとの協働編集なども容易に行えます。
検索エンジンの表示順位向上
新規記事の作成やリライトが容易になり、またプラグインなどのSEO機能を活用することで、検索エンジンでの表示順位を向上させることができます。メタタグの設定やURLの正規化、サイトマップの生成など、SEOに必要な機能が充実しています。
たとえば、WordPressは、初心者でも使いやすい直感的なインターフェースと、Yoast SEOなどの多彩なプラグイン・テーマを提供しています。これにより、Webサイトのカスタマイズや機能拡張が容易に行えます。
CMSの基本的な機能
コンテンツ作成・編集機能
コンテンツ管理
CMSはコンテンツ管理において非常に便利なツールであり、画像・テキスト・動画・PDF資料など多くのデータを整理し、わかりやすく管理する機能を提供します。カテゴリやタグを活用することで、ユーザーは必要な情報を迅速に見つけることができます。
たとえば、ニュースサイトでは記事をカテゴリで分類し、特定のカテゴリからすぐに記事を検索できるようになります。また関連記事の内部リンクやオススメ記事の表示なども自由自在にでき、来訪したユーザーの回遊を促すことが可能です。
直感的な「見たまま編集」
CMSを使うことで、プログラミングコードを知らないユーザーでもパワポを編集ように直感的にWebページを編集できるようになります。本来Webサイトはコンテンツの表示方法を規定する裏側のコードの記述を変えることで編集するものですが、CMSは逆に表側を編集することで自動的にコードの記述にも反映させるという仕組みです。
これにより、ドラッグアンドドロップでコンテンツを配置し、リアルタイムで見た目を確認できるようになります。編集作業が大幅に効率化され、サイトの品質が向上します。編集画面と公開画面がほぼ同じ見え方のまま作業ができるため、結果的にアウトプットの精度も上がります。
テンプレート
CMSには多くのテンプレートが用意されており、ページのデザインを簡単に変更することができます。デザイン的にも洗練されたテンプレートを使用することで、デザインの一貫性を保ちながら迅速にページを作成できます。たとえば、WordPressではあらかじめ用意されたテーマをインストールすることで、デザインの変更が容易に行えます。
ページ複製機能
ページ複製機能を利用することで、既存のページを簡単にコピーし、新しいページとして使用できます。たとえば複製機能のないnoteで同じことをやろうとするとテキストを上から下までコピーし、新規編集画面にペーストする必要がありますが、CMSのページ複製機能を使えば簡単に複製できます。同じレイアウトや構成を持つページを複数作成する際に非常に便利です。
この機能を活用すると、ターゲット別のページ情報の出し分けやLPのABテストも容易に行えます。特にキャンペーンページや商品紹介ページの作成が効率化されます。
会員ページ化機能
せっかく集客したユーザーは、個人情報を得てリード化しないと見込み顧客として積みあがっていきません。会員ページ化機能を利用して、特定のコンテンツを会員限定に設定することで会員登録=リード化を促すことができます。
会員向けの特別なコンテンツやサービスを提供することで、たとえばオンライン学習サイトで会員専用の教材や動画を提供したり、BtoBのSaaS企業であれば自社プロダクトの効果的な活用法のウェビナーを開催してLTVアップを図るなどの施策が可能になります。
ブログ機能
昨今さまざまな企業が力を入れているコンテンツマーケティングには手軽に記事を作成・配信・管理できるブログ機能が欠かせません。多くのCMSにはブログ機能が組み込まれており、自社プロダクトにまつわるノウハウや導入事例、Tips情報などを簡単に発信できます。
CMSのブログ機能を使うことで、タグやカテゴリ分類によってわかりやすく整理されたブログを作成できます。これにより、SEO効果も期待でき、トラフィックの増加が見込めます。
ECショップ機能(決済機能)
ECショップ機能を利用すると、オンラインストアを簡単に構築でき、決済機能も標準で提供されます。これにより、商品やサービスの販売が容易になります。たとえば、ant2には標準でEC機能が付いているので、いつでも実装して簡単にサイト上で商品の販売が開始できます。
ニュース配信機能
ニュース配信機能を使うと、製品のリリース情報やキャンペーンの告知、展示会などのイベント情報など新しいコンテンツやキャンペーン情報を迅速に配信できます。これにより、最新情報をタイムリーに提供でき、顧客とのエンゲージメントを高めることができます。
公開日時・更新日の管理
公開日時や更新日を管理することで、コンテンツの公開および非公開を自動的に制御できます。また予めセットした公開日時に合わせて自動的に記事を公開する予約投稿システムもあります。これらの機能は、重要な情報を適切なタイミングで公開するために必要で、新製品の情報を特定の日時に公開したい場合などに役立ちます。
サイト内検索機能
サイト内検索機能により、ユーザーはサイト内で必要な情報を迅速に見つけることができます。特定のキーワードで記事を絞り込み検索ができるようにするなど、高度な検索オプションを提供することで、ユーザー体験を向上させることができます。
メディア管理機能
CMSにはメディア管理機能があり、画像や動画などのメディアを簡単に管理できます。これにより、画像ギャラリーの作成や動画の埋め込みが簡単に行え、また同一の画像を複数ページに掲載する際は、サーバ容量を節約することができます。
更新履歴の保存・復元・公開日時の指定
更新履歴を保存し、必要に応じて復元できる機能があります。これは、編集ミスを防ぎ、安心して作業を進めるために役立ちます。複数人でリライト作業などを行う際にも、作業前の原稿を保存する手間が省けるので便利です。
公開日時を指定することで、イベントやキャンペーンのタイミングを調整できます。たとえば、重要な記事を特定の日時に公開することで効果を最大化できます。
多言語対応
多言語対応のCMSを使うことで、複数の言語でコンテンツを提供できます。これは、グローバル展開を目指す企業にとって非常に重要です。たとえば、英語や中国語など、さまざまな国籍の顧客に対応したサイトを簡単に作成できます。
マーケティング機能
SNS連携
SNS連携機能を使うと、ユーザーがコンテンツを簡単にソーシャルメディアでシェアできます。これにより、オーガニックなトラフィック増加が見込めると同時に、SNS上での話題感の演出もできます。たとえば、記事を自動的にX(旧Twitter)やFacebookに投稿することで、自然なリーチとトラフィックを獲得できます。
SNS連携には主に3通りの方法があります。1つはコンテンツ上に置くソーシャルボタンで、押すとSNSが立ち上がりそのままシェアできます。2つ目は新規で記事を配信したタイミングで自動的に自社のSNSアカウントで新着記事NEWSとしてシェアする方法。また3つ目はそれらとは逆に、他のユーザーのSNSの投稿を記事内に埋め込んで表示させる方法です。
フォームの作成と管理
フォーム作成機能では、会員登録フォームや問い合わせフォーム、アンケートフォームを簡単に作成できます。氏名はもちろん企業名や部署名など入力させる情報を管理できます。ビジネスに必要なリード情報の収集には、フォーム機能の活用が欠かせません。
収集したデータは管理画面で一元管理できます。たとえば、Google FormsやContact Form 7(WordPress用のプラグイン)を使えば、簡単に顧客の情報を収集できます。
アンケート・メルマガ配信機能
アンケート機能を利用して顧客の声を収集し、分析することができます。また、メルマガ配信機能を使えば、リスト化されたユーザーに対して定期的に情報を配信できるので見込み顧客を少しずつ自社プロダクトの顧客にナーチャリング(育成)できます。
FAQ作成機能
FAQ作成機能を使うことで、よくある質問に対する回答をウェブサイト上に掲載できます。最近では、AIチャットボットにFAQ内容を学習させることで、365日24時間リアルタイムのカスタマーサポートの実現も可能になっています。
アクセス解析機能
アクセス解析機能により、Webサイトの訪問者数や行動分析が可能です。これにより、マーケティング戦略をデータに基づいて最適化できます。
たとえばコンバージョンに至ったユーザーがその前にサイト内のどのコンテンツを閲覧していたのかの傾向を把握することで、コンバージョン最大化に向けたサイト動線やコンテンツ設計が可能になります。
A/Bテスト機能
デジタルマーケティングの基本であるA/Bテスト機能を活用して、異なるデザインやコンテンツの効果を比較できます。ABテストの傾向を把握することで、コンバージョンにつながりやすいデザインやコピーワークの勝ち筋を見い出していくことができます。
LPO機能
ランディングページ最適化(LPO)機能を使うと、ランディングページのコンバージョン率を高めるための調整が簡単に行えます。せっかく集めてきたユーザーも、ランディングページが悪ければ意味がありません。LPO機能を活用することで、自社Webサイトの「バケツの穴」を塞ぐことができます。
マルチデバイス対応
CMSはマルチデバイス対応もサポートしており、PC、スマートフォン、タブレットなど、様々なデバイスでの表示に対応しています。たとえば、レスポンシブデザインを利用することで、どのデバイスでも一貫したユーザーエクスペリエンスを提供できます。
SEO最適化機能
メタタグ設定機能
メタタグ設定機能を使えば、検索エンジン向けに適切なメタ情報を入力できます。これにより、SEO効果を最大化することができます。たとえば、WordPressであればYoast SEOというプラグインを使えば簡単にメタタグ情報を設定できます。
サイトマップ生成機能
サイトマップ生成機能を活用すると、検索エンジンに対してWebサイトの全体構造を知らせることができます。これにより、インデックスの効率が向上します。たとえば、Google XML Sitemaps(WordPress用のプラグイン)を使えば、簡単にサイトマップを生成できます。
セキュリティ機能
ユーザー管理機能
ユーザー管理機能により、アクセス権限を細かく設定し、重要なデータを保護できます。これにより、社内外からの不正なコンテンツの改ざんなどを防ぐことができます。たとえば、WordPressのUser Role Editorを使えば、細かくアクセス権限を調整できます。
データベース機能
データベース機能を使うと、大量のデータを効率的に管理できます。特に、大規模なサイトやECサイトでデータが頻繁に更新される場合や複数の軸で同じデータを表示させたい場合に有用です。
独自ドメイン機能
フリーのCMSの場合などは、ドメインがサービス提供者のものになっている場合があります。独自ドメインを使用することで、プロフェッショナルなブランドイメージを保ちながら、セキュリティも強化できます。
たとえば、WixやSquarespaceで独自ドメインを簡単に設定できます。昨今のSEOにおいてはドメイン評価が重要になってきていますが、ドメイン歴の長さはドメイン評価に非常に重要なので、長期的なSEO観点からも独自ドメインの取得は検討すべきです。
セキュリティ
CMSは定期的なセキュリティアップデートを提供しており、最新の脅威に対抗するための保護機能を搭載しています。たとえば、WordPressは定期的なアップデートによって最新のセキュリティパッチを提供しています。
ログイン状況や操作履歴の記録
ログイン状況や操作履歴を記録することで、万が一の不正アクセスや操作ミスを迅速に把握し、対応することができます。たとえば、WordPressのActivity Logプラグインを使えば、ユーザーの操作履歴を詳細に記録できます。
ワークフローの設定
ワークフロー設定機能を利用すると、編集・承認プロセスを効率的に管理できます。同時並行で多くのコンテンツ制作が走っていると、コンテンツの確認や承認作業が煩雑になってスピーディな更新のボトルネックになってしまうことがあります。効率的な承認フローを確保することは、継続的なWebサイトの運営・育成には欠かせません。
CMSの機能活用のメリット
専門知識不要で効率的にコンテンツを管理できる
専門知識がない人でも直感的にWebサイトのコンテンツを管理できるツールがCMSです。ドラッグ&ドロップなどの簡単な操作で、ページの編集や更新が可能です。たとえば、WYSIWYG(見たまま編集)機能を利用すれば、HTMLやCSSの知識がなくても簡単にサイトを美しく編集できます。以下のような多機能なエディタが通常組み込まれています。
- テキストスタイル設定(見出し、リスト、引用など)
- 画像や動画の挿入・編集機能
- リンクの設定と編集
- 表の作成とカスタマイズ
これにより、迅速かつ効率的に豊かなコンテンツを作成し、スピーディな更新が可能です。
SEO対策ができる
CMSにはSEOを意識した機能が組み込まれています。これにより、検索エンジンでの上位表示を目指すための施策を簡単に実行できます。
機能 | 具体例 |
---|---|
メタタグ設定機能 | タイトルとディスクリプションの編集 |
サイトマップの自動生成 | 検索エンジンにサイト構造を理解させやすくする |
URLのカスタマイズ | URL構成を短く、わかりやすくする |
これにより、検索エンジンのクロール効率を高め、サイトの評価を向上させることができます。具体的にはページのインデックスが速くなり、クリック率(CTR)の向上が期待できます。
複数人でWebサイトを管理できる
CMSはユーザー管理機能を備えており、複数人で効率的にWebサイトを管理することが可能です。ユーザーごとに権限を設定することで、誰が何をできるかを明確に制御できます。また、作業のログ管理やワークフロー機能を使えば、チーム内での作業状況を一元管理できます。以下の機能が利用可能です。
- 多段階のユーザー権限設定(管理者、編集者、寄稿者など)
- 変更履歴の保存と復元
- 操作ログの記録と監視
これにより、チーム全体が同時に効率よく作業を進めることができ、コラボレーションの質が向上します。
404エラーを防げる
CMSのリダイレクト機能を使えば、ページを削除したり、URLを変更した際に404エラーを回避することができます。これにより、ユーザーエクスペリエンスを損なうことなく、リンク切れを防止できます。リンク切れのページが多数あるとGoogleからの評価にも影響するため注意が必要です。たとえば、次のようなリダイレクト機能があります。
- 301リダイレクト(永久移動)
- 302リダイレクト(一時移動)
これらを適切に設定することで、SEO効果も向上し、ページの評価を維持できます。
セキュリティを強化できる
多くのCMSはセキュリティ機能を強化しています。ユーザー認証、定期的な更新、セキュリティパッチの提供などを通じて、Webサイトを不正アクセスから守ります。また、二段階認証やSSL証明書の導入も容易に行えるため、さらなるセキュリティ強化が期待できます。以下の方法でセキュリティ対策が可能です。
- 定期的なバックアップの実行
- 脆弱性スキャンと診断
- プラグインの管理と更新
コスト削減
CMSの導入により、Webサイトの運用コストを大幅に削減することができます。外部業者に依頼することなく、自社で簡単にサイトの更新や管理ができるため、コスト効率が非常に高いです。特に以下の点でコスト削減が可能です。
- 初期開発費用の削減(オープンソースCMSの利用)
- 運用コストの削減(内製化によるコストカット)
- 広告・マーケティングコストの低減(SEO対策による集客)
企業Webサイト向けのCMSの選び方
失敗しないCMS選びのポイント
伝えるべき情報をリアルタイムで発信するために、企業のコーポレートサイトの制作は手軽に更新・修正ができるノーコードのCMS導入が主流です。しかし選択肢が多く、どのCMSにすればよいか迷う人も多いのも事実。
世の中には様々なCMSが存在しますが、それぞれ目的をもって開発されています。自社が作りたいコーポレートサイトの目的に最も適ったCMSを選択する必要があります。一度導入すると簡単に切り替えられないので、正しい理解が必要です。
以下に失敗しないCMS選びのためのポイントを示します。
企業サイトに最適な商用CMS:ant2
ant2は、国内28,000サイト以上に導入され、あらゆる業種・規模の日本のお客様の「声」に磨き抜かれてきた国産CMSです。日本国内で多くの企業に採用されており、直感的な操作性と豊富な拡張機能が魅力です。
あらゆる業種に対応できる500以上のデザインテンプレートが準備されているので、イメージに合うものを選択し、そこに自社の画像素材を入れていくだけで理想のデザインが実現します。デザインスキルやプログラミング知識は不要です。テキストや画像のひな形パーツなどのコンテンツパーツも430以上実装され、それらは日々刻々とで追加・アップデートされていきます。
また、CMSのOEM販売に力を入れている点も特徴で、既に330社を超える代理店様が日々、自社の顧客にWebサイト制作のサービスを提供しています。
無料CMSツールの注意点
機能制限
無料のCMSツールは、有料版と比較して機能が制限されていることが多いです。たとえば、カスタマイズの自由度が低い、利用できるプラグインの種類が少ない、容量に制限があるなどの点が挙げられます。これらの制限が原因で、サイトを理想通りに構築できない場合があります。
セキュリティリスク
無料のCMSツールは、アップデートやセキュリティパッチが遅れることがあります。特にオープンソースの無料CMSは、利用ユーザーが多いためにハッカーのターゲットになりやすく、セキュリティリスクが高いことが知られています。セキュリティが脆弱であると、サイバー攻撃やデータ漏洩のリスクがあります。
サポートの有無
無料CMSツールはサポートが限定的であるか、全くないことがあります。つまり、問題が発生した場合、自力で解決するか、コミュニティフォーラムを利用する必要があります。商用サポートがないため、問題が発生した際の対応が遅れるリスクが伴います。
まとめ
CMSは、コンテンツの作成・管理、マーケティング支援、SEO最適化、セキュリティ対策など、多岐にわたる機能を提供します。これにより、専門知識がなくても効率的にWebサイトを運営でき、SEO対策やセキュリティ強化も容易です。
しかし、CMS選びは慎重に行う必要があります。自社のニーズに合ったCMSを選定することで、最適な効果を発揮します。また、無料CMSツールは機能制限やセキュリティ面でのリスクが伴いますので、導入前に詳細に検討することが重要です。
最終的に、正しいCMSの選択とその活用により、企業はコスト削減や効率的なWebサイト運営が可能となり、デジタルマーケティングにおいて優位に立つことができます。
2024.07.26
CMSとは?初心者でもわかるコンテンツ管理システムの基本と活用法
企業の情報発信やデジタルマーケティングの基盤となるWebサイトですが、ビジネスの速度が加速するにつれて、その情報更新スピードの必要性も高まっています。企業Webサイトのタイムリーな情報更新を可能にしてくれるのがCMS(Contents Management System=コンテンツ管理システム)です。
この記事では、初心者にもわかりやすくCMSの基本概要を紹介し、主要なCMSの種類やそれぞれのメリット・デメリット、さらに具体的な活用法についても解説します。CMSとは何か、どんな機能があるのか、そしてどのように活用できるのかについても解説します。
CMSとは?
CMS(コンテンツ管理システム)とはContents Management Systemの略語で、Webサイトのコンテンツを効率的に作成・管理・編集するためのソフトウェアやプラットフォームを指します。 プログラミングの専門知識を持っていないユーザーでも、パワポ感覚で簡単にサイトの更新や修正ができるため、企業や個人がWebサイトを運営する上で管理の時間&コストを削減できる非常に便利なツールです。
CMSがなければ、情報の追加や更新の度に外部の制作会社などにその都度修正を依頼する必要があります。更新完了までに数営業日かかりますし、作業の度に修正費が発生してしまいます。何より、こうした時間・費用のコストが重しとなって情報更新がどんどん後回しになり、伝えるべき情報を顧客に適切に伝えられなくなるのは避けるべき状態です。
CMSを使うことでブログ記事の投稿、商品情報の更新、イベントの告知などを誰でも簡単・スピーディに行うことができるようになります。
CMSの主な機能
CMSには多くの便利な機能が備わっています。以下はその主な機能の一部です。
コンテンツの作成と編集
CMSの最も基本的な機能の1つが、テキストや画像、動画などのコンテンツを簡単に作成・編集できることです。 リッチテキストエディタを利用することで、HTMLやCSSの知識がなくても視覚的にコンテンツを編集可能です。
また、画像や外部リンクボタンを挿入したり、ドラッグ&ドロップによってコンテンツの配置を変更するなど、Webサイトをパワポのように直感的に編集することが可能になります。
ユーザー管理
CMSは複数のユーザーが異なる権限でサイトにアクセスしたり編集したりすることができる機能も備えています。 これにより、外部委託のスタッフなども含めた大規模なチームで分業して作業を進めることが可能となります。
たとえば、記事の投稿や編集ができる「編集者権限」や、ユーザーの追加や権限の設定まで行える「管理者権限」など、ユーザー毎に権限を管理できるため、セキュリティ面でも安心です。
SEOの最適化
SEO(検索エンジン最適化)もCMSの重要な機能の一つです。 タイトルや見出し、メタディスクリプションの設定やメタタグの編集、URL構造のカスタマイズなど、SEO対策を行うためのツールが組み込まれています。具体例として、WordPressにはYoast SEOなどのプラグインがあります。
検索エンジンに評価されるコンテンツを増やすことで、自社ビジネス領域の問題を「今すぐ解決したい」と情報収集しているユーザーを自社サイトに無料で呼び込めるので、ビジネスの成長にも寄与します。
テンプレートとテーマの利用
CMS向けに開発されたデザインテンプレートやテーマを利用すると、視覚的に美しく惹きのあるWebサイトを簡単に構築することができます。 数多くの無料及び有料のテーマが提供されており、目的に応じて選択できるのも大きなメリットです。ビジネスサイト向けのプロフェッショナルなテーマや、ブログサイト向けのカジュアルなテーマなどがあります。
たとえば、ant2ではあらゆる業種に対応できる500以上のデザインテンプレートが準備されているので、イメージに合うものを選択し、そこに自社の画像素材とコピー(テキスト情報)を入れていくだけで洗練されたWebサイトが完成します。
プラグインと拡張機能
オンラインショップ機能やSNS連携など、必要な機能を追加できるプラグインが豊富に揃っています。CMSとプラグインは、スマホとアプリのような関係性。自分のやりたいことに合わせてアプリを追加していくように、自由に機能を拡張できます。
たとえば、世界最大のECプラットフォームであるWooCommerce(ウーコマース)はWordPressと統合できるオンラインショッププラグインで、多数の拡張機能を追加してオンラインショップを構築できます。 購入管理や在庫管理、決済機能を簡単に追加可能です。
バージョン管理
コンテンツの変更履歴を管理し、過去のバージョンに簡単に戻すことができる機能も重要です。 これにより、誤って変更した内容を簡単に復元できるため、安心してコンテンツを編集することができます。
たとえば、WordPressのリビジョン管理機能は、記事の更新履歴を保存し、任意のバージョンに戻すことが可能です。SEO記事作成の場合、複数のメンバーで記事のリライト作業などを行いますが、リビジョン機能があればリライトの度に元の状態を保存しておく必要がなくなります。
CMSの歴史と発展
CMSの歴史は1990年代に遡ります。初期の頃は企業向けの大規模なコンテンツ管理のソリューションとして提供されていました。 当時はHTMLやCSS、JavaScriptなどのプログラミング知識が必要でしたが、次第にユーザーフレンドリーなインターフェースが開発され、一般ユーザーでも利用できるようになりました。
21世紀に入るとオープンソースのCMSが登場し、一気に普及が進みました。 特にWordPressは簡単にインストールでき、多くのプラグインとテーマが提供されているため、個人ブログから企業のWebサイトまで幅広く利用されています。 他にもJoomla!や Drupalといった人気のオープンソースCMSが登場し、それぞれ独自のユーザーコミュニティとエコシステムを構築しています。
現在では、ノーコードやローコードのCMSも登場し、プログラミング知識がなくても直感的にサイトを構築できるようになっています。 これにより、ますます多くの人々がウェブサイトを簡単に管理できるようになりました。 たとえば、WixやSquarespaceなどのノーコードCMSは、ビジュアルエディタを用いて簡単にサイトを構築できることから、世界中で多くのユーザーに支持されています。
主なCMSの種類
オープンソースCMS
オープンソースCMSはソースコードが公開され、世界中の誰もが無料で利用・修正・配布できるCMSです。自由に機能を追加したり、必要に応じたカスタマイズが可能で、数多くのプラグインが揃っている点も特徴です。メジャーなオープンソースCMSには、以下のようなものがあります。
WordPress
WordPressは、世界で最も広く使用されているオープンソースのCMSです。ウェブ全体の40%以上のサイトがWordPressで構築されており、CMSにおけるシェアも60%以上を占めています。
豊富なプラグインとテーマにより、使い勝手の良さと高いカスタマイズ性を誇ります。また、非常に活発なコミュニティによってサポートされているため、最新の機能やセキュリティアップデートも頻繁に提供されます。
ただ圧倒的な利用者の多さからハッキングで狙われやすいというデメリットもあるため、セキュリティ対策など一定のリテラシーが必要になります。
Joomla!
Joomla!は、中規模から大規模のウェブサイト構築に適したCMSです。柔軟なテンプレートシステムと大量の拡張機能が最大の特徴です。またオープンソースCMSでありながら堅牢なセキュリティも特徴で、世界政府関連機構などでも利用されています。
インストールや設定も比較的簡単で、初心者向けのガイドや活発なフォーラムが充実しているので、初めてCMSを使うユーザーでも安心して利用できます。
Drupal
Drupal(ドゥルーパル/ドルーパル)は、複雑なウェブサイトやウェブアプリケーションを構築するために最適なCMSです。非常にスケーラブルであり、セキュリティが高く、政府機関や大企業でも広く採用されています。
ユーザー管理やアクセス制御が細かく設定できるため、特にカスタマイズ性の高さが求められるプロジェクトや、会員制サイトやイントラシステムなど複雑なシステムを構築するのに適しています。
商用CMS
特定の企業や開発者が独自に開発し、主に商用目的で提供される有償のシステムが商用CMSです。オープンソースCMSに比べ特定のビジネスニーズに対応した機能やサポートが充実しているのが特徴で、直感的で高い操作性を持っています。
ビジネスに必要な機能はひととおり備え付けてあることが多く、初期設定やプラグインの追加の手間が省け、さらに高いセキュリティも特徴です。またサポートも充実していることが多く、ビジネスユースで使う場合でも安心です。
ant2 CMS
ant2 CMSは、日本発で非常に高機能な商用CMSで、国内に28,000件以上導入されています。エンタープライズ向けの高度な機能と強固なセキュリティが提供されており、大規模プロジェクトにも耐えうる信頼性があります。
毎月追加される豊富なデザインテンプレートに加え、オンラインショップの開設、会員管理、メルマガ管理、LINE連携など、ビジネスに必要な多様な機能が標準搭載されています。また、日本人スタッフによる専用のサポート体制が整っているため、企業の大規模なウェブサイト構築にも安心して利用できます。
また、CMSのOEM販売に力を入れている点も特徴で、既に330社を超える代理店様が日々、自社の顧客にWebサイト制作のサービスを提供しています。
Adobe Experience Manager
Adobe Experience Manager(AEM)は、Adobeによって提供される商用CMSで、ブランドエクスペリエンスの管理を支援します。Adobe社が提供する他のMAツールなどのマーケティングツールやデータ解析ツールとも連携できるため、大規模なデジタルマーケティングに適しています。
主な機能的特徴としてはAIを活用したコンテンツ作成や、ヘッドレスCMS機能、またグローバルなサイトでも使える堅牢なセキュリティなどがあります。
https://business.adobe.com/jp/products/experience-manager/sites/aem-sites.html
Movable Type
Movable Typeは、ブログ執筆者やコンテンツクリエイターに人気のある国産の商用CMSです。日本国内でも導入実績50,000サイト以上の非常に高いシェアを誇り、カスタマイズの自由度と堅牢なバックアップ機能が特徴です。特に、シンプルなブログ構築から、複雑なウェブサイト構築まで幅広いニーズに対応できます。
また、日本語での問い合わせにも対応しており、有償での利用ではテクニカルサポートもつくので企業サイトにも安心して使えます。セキュリティ面での信頼性も高く、教育機関や官公庁などのWebサイト構築にも活用されています。
CMSのメリットとデメリット
CMSの利用には様々なメリットがありますが、一方で当然デメリットも存在します。導入にあたっては、両面を正しく理解した上で検討する必要があります。以下、それぞれについて解説していきます。
CMSのメリット
直感的に操作できる
CMSの多くはユーザーフレンドリーなインターフェースを提供しています。これにより、専門的なプログラミング知識やデザインスキルがなくても簡単にコンテンツを作成、編集、公開することができます。
例えば、WordPressは、ドラッグアンドドロップで要素を配置する機能や、ビジュアルエディターを備えており、初心者にも使いやすい設計となっています。
誰でも簡単に使えることで、システムの学習コストを削減できるだけでなく、情報の更新性もアップします。CMSが無い場合、更新作業の度にいちいちエンジニアやデザイナーの工数を確保する必要があり、その調整作業だけでも膨大になります。また作業する側も人事部やマーケティング部、営業部などすべての部署からの依頼を一手に引き受ける必要があるため他の業務が回らなくなってしまいます。
コンテンツ管理を効率化できる
CMSは、コンテンツを一元管理するプラットフォームを提供します。これにより、複数のユーザーが同時にコンテンツを編集したり、過去のバージョンに戻すことが容易になります。特に大規模なウェブサイトやブログにおいて、この機能は非常に有用です。
また、メディアライブラリ機能を活用することで、画像や動画などのメディアファイルも簡単に管理できます。
コンテンツ管理を効率化することで、各部署の担当者は訴求力のあるメッセージを考えたり、インパクトのあるデザインを検証するなど、よりクリエイティブな作業にリソースを割くことができるようになります。
拡張性が高い
CMSは、プラグインやテーマを追加することで比較的簡単に機能を拡張できます。多くの場合、無償で追加できるので機能開発にかかる費用や時間などのコストが大幅にカットできます。これにより、Webサイトの要件に合わせて柔軟にカスタマイズすることが可能です。
たとえば、ECサイトを構築するためのプラグインや、SEO対策を強化するアドオンなど、多様なニーズに対応する拡張機能が提供されています。
社内のエンジニアに開発を依頼する場合、数カ月~半年くらいのリソースを割り当てる必要があります。しかしその開発コストに見合うリターンが本当にあるのか、また要件定義も大変、ということで結局見送りになるというケース多くなります。必要な機能があればとりあえず既存のプラグインを試して使いながら調整していく、というアジャイルな進め方ができるのがCMSの強みです。
CMSのデメリット
ライセンス費用がかかる場合がある
商用CMSを利用する場合、ライセンス費用が発生することがあります。これは特に小規模なビジネスや個人ブログにとっては負担となることがあります。
一方で、オープンソースのCMSは無料で使用できますが、サポートやカスタマイズにコストがかかることもあります。またサーバやドメイン取得の費用も別途必要になってきます。
初期設定の難しさ
WordPressなどオープンソースCMSの初期設定やカスタマイズには、一定の技術的な知識が必要になります。特に、独自のデザインや機能を追加する場合、開発リソースが必要です。設定やカスタマイズがうまくいかないと、思い通りのサイトを作ることが難しくなることもあります。
一方で特定のビジネスユースに特化して開発された商用CMSの場合は、サクサクと初期設定を済ませられるサービスが多いです。予め実装された業種別のデザインテンプレートからイメージに合ったものを選び、それをベースに素材を当てはめてつくり込んでいくだけでWebサイトが完成します。
セキュリティリスク
オープンソースCMSは広く利用されているため、攻撃者の標的になりやすいです。セキュリティ対策を怠ると、Webサイトがハッキングされるリスクが高まります。
定期的な更新やバックアップ、セキュリティプラグインの導入を行うことでリスクを軽減できますが、管理に手間がかかることもあります。
商用CMSの場合は、各社が堅牢なセキュリティを完備しているので基本的には安心して利用することができます。個人の情報発信ならオープンソースでも問題ありませんが、企業のWebサイトを作成する場合はよほど社内に技術的な造詣が深い人材がいない限りは商用CMSを選択する方が安心です。
CMSの選び方
目的に応じた選定ポイント
CMSを選ぶ際には、何を目的としてウェブサイトを運営するのかを明確にすることが重要です。一般的には、以下のような理由で利用されることが多いです。
- 簡単なブログの運営:記事作成や公開が簡単にできる。
- 企業ホームページの構築: 企業情報や製品情報を整理して掲載することができる。
- オンラインショップの運営: 商品管理や決済機能が充実していること。
- ポートフォリオサイトの構築: 多様なコンテンツを美しく見せるデザイン機能が求められる。
特に企業ホームページやオンラインショップの場合、顧客の信頼を得るためにコンテンツの整理と更新が重要です。
コストと予算を考慮する
CMSの選定において重要なポイントの一つはコストと予算です。CMSには無料のオープンソースから、高額な商用CMSまでさまざまあります。予算に応じて選ぶことが必要です。
一般的にはオープンソースCMSは無料で利用でき、カスタマイズ性が高いものが多い傾向があります。一方で保守やセキュリティ対策などに一定の手間がかかったり、専門家に相談する場合は別途費用が発生します。
一方で商用CMSは初期費用やライセンス費用がかかりますが、サポートが充実しているため多くの企業に利用されています。
費用対効果も考慮し、長期的な運用コストも見据えて選ぶことが大切です。初期費用が高額な商用CMSであっても、手厚いサポートが長期的にはコスト効率が良い場合もあります。
カスタマイズ性と拡張機能
CMSのカスタマイズ性や拡張機能も選定の重要なポイントです。将来的なサイトの更新・変更が容易であるか、プラグインやモジュールの対応があるかを確認しましょう。
- 高いカスタマイズ性: 自社独自の機能を追加できる。
- 拡張機能の豊富さ: ニーズに応じたプラグインやモジュールが豊富に揃っていること。
たとえば、WordPressのプラグインディレクトリには数多くのプラグインが揃っており、容易に機能の追加が可能です。また、Drupalはモジュールによる拡張性が非常に高く、カスタマイズが容易です。
デザイン性の自由度
Webサイトはブランドの世界観を体現するものなので、デザイン性の自由度は重要です。なるべく豊富なデザインテンプレートやコンテンツパーツのあるCMSを選ぶことで、表現したいブランドの世界観に近づけることができます。
たとえばant2では、あらゆる業種に対応できる500以上のデザインテンプレートが準備されているので、実現したいブランドイメージに合ったものが必ず見つかります。またテキストや画像のひな形パーツなどのコンテンツパーツも430以上実装され、それらは日々自動で追加・アップデートされていきます。
サポート体制とコミュニティ
さらに、CMSの選び方で重要なのは、サポート体制およびコミュニティの存在です。困ったときに迅速に対応してもらえるか、または自力で問題解決ができる情報が多く存在するかを確認します。
- 商用CMS: ベンダーからのサポートが手厚いが、費用がかかる。
- オープンソースCMS: コミュニティによるサポートが期待できるが、自己解決が必要な場合もある。
たとえば、Adobe Experience Managerのような商用CMSは、ベンダー提供のカスタマーサポートが充実しており、安心して利用できます。一方で、DrupalのようなオープンソースCMSは、非常に活発なコミュニティが存在し、質問フォーラムやドキュメントが充実しています。
CMSの導入に向いているWebサイト・向いていないWebサイトとは?
CMS導入に向いているWebサイトの特徴
CMS導入に向いているWebサイトの特徴を以下に挙げます。
コンテンツの量が多いWebサイト
様々なブランド・サービスを紹介するサイトや、コンテンツマーケティング目的で多様なノウハウ記事を収納したいオウンドメディアなどはCMSを検討すべきサイトです。CMSを使うことで様々なコンテンツをスムーズに追加・更新することができるようになります。
頻繁な更新が必要なWebサイト
頻繁な更新が必要なWebサイトは、CMSによって迅速かつ簡単にコンテンツを更新することができます。たとえば、様々なブランドのニュースを頻繁に発信したいサイトやニュースサイト、ブログなど、日々新しい情報を提供することが求められるサイトに最適です。
複数の担当者がコンテンツを管理する必要がある場合
複数の担当者が関与する場合、権限管理システムが役立ちます。CMSには権限管理機能が組み込まれており、異なるユーザーレベルに応じて編集や公開の権限を設定できます。これにより、効率的なワークフローが実現します。
SEO対策を重視するWebサイト
CMSには、SEO対策のためのプラグインや機能が豊富に揃っています。たとえば、Yoast SEO(WordPress用)やAll in One SEO PackといったプラグインがSEO対策を簡単にサポートしてくれます。
多様なコンテンツ(ブログ、ニュース、イベント情報など)が必要なWebサイト
ブログ、ニュース、イベント情報など、多様なコンテンツが必要な場合にもCMSは非常に便利です。専用のテンプレートやウィジェットを利用することで、異なる種類のコンテンツを統一されたデザインで提供できます。
たとえば、企業のコーポレートサイトやニュースポータルサイトなど、頻繁に情報更新が行われ、複数の部門が関与するWebサイトはCMSの導入に向いています。
CMS導入に向いていないWebサイトの特徴
次に、CMS導入に向いていないWebサイトの特徴について述べます。
静的なページが中心のWebサイト
更新頻度が低く、主に静的なページが中心のWebサイトの場合、CMSを利用するメリットが少なくなります。たとえば、企業の基本情報のみを掲載するサイトでは手動で更新するほうが効率的です。
特殊な機能やデザインが必要なWebサイト
特殊な機能やデザインが求められる場合、CMSの既存のテンプレートやプラグインでは対応できないことがあります。特定の業務システムとの連携が必要な場合など、カスタム開発が求められることもあります。
セキュリティ要件が非常に高いWebサイト
金融機関や政府機関など、セキュリティ要件が非常に高いWebサイトでは、CMSの脆弱性が懸念されることがあります。商用CMSなどの利用によるセキュリティ強化が求められます。
コンテンツ更新頻度が低いWebサイト
コンテンツの更新頻度が低い場合、CMSの利便性を活かすメリットが少なく、手間と費用を考慮すると従来の手動更新のほうが適している可能性があります。
たとえば、企業のプライベートネットワークで運用されるイントラネットや、特殊な業務システムと連携したWebアプリケーションは、CMS導入のメリットが少なく、カスタム開発が推奨されます。
CMSの活用法
ブログの運営
ブログの運営は、CMSを活用する最も一般的な方法の一つです。たとえば、WordPressはユーザーに非常に人気が高いオープンソースのCMSで、多くのブログがこのシステムを採用しています。これにより、初心者でも簡単に記事を投稿・修正することができ、SEO対策やソーシャルメディア連携なども行いやすくなります。
WordPressを利用することで、優れたテーマやプラグインを活用し、直感的なコンテンツ作成が可能です。また、Google Analyticsとの連携も容易で、訪問者の動向をリアルタイムで把握することができます。ブログを短時間で立ち上げたい方や、頻繁に更新を行う方にとって、WordPressは非常に便利なツールとなります。
たとえば、著名なブログサイトWordPress Showcaseでは、多くの企業や個人が自分たちのコンテンツを発信しています。これにより、アクセス数の増加やSEO評価の向上が期待できます。
企業サイトの運営
企業のホームページもCMSで効率的に管理できます。中でもAdobe Experience Managerは商用CMSとして高機能かつ柔軟性があり、大規模な企業サイトやブランドサイトにおいて広く活用されています。たとえば、コンテンツのバージョン管理や多言語対応、マーケティングツールとの連携が容易にできる点が特徴です。
Adobe Experience Managerを導入することで、ビジュアルデザインツールと連携し、ブランドイメージに合わせた高品質なコンテンツを短期間で制作することが可能です。ユーザーエクスペリエンスを向上させ、コンバージョン率を高める効果が期待できます。
具体的には、グローバルな展開を行う企業がAdobe Experience Managerを採用し、効率的に各国のコンテンツを管理し、多様なユーザーのニーズに対応しています。これにより、ブランド価値の向上や営業効率の改善が実現するでしょう。
オンラインショップ(ECサイト)の構築
オンラインショップの構築にもCMSが役立ちます。たとえば、WooCommerceはWordPress用のプラグインとして使用でき、商品管理、決済システムとの連携、在庫管理などが行いやすくなります。このようなCMSを活用することで、Web開発の知識が少なくても、本格的なオンラインショップの運営が可能です。
WooCommerceを利用すれば、迅速にオンラインショップを立ち上げ、商品のリスト管理や決済処理をスムーズに行うことができます。また、豊富な拡張プラグインを追加することで、機能を柔軟に拡張することも可能です。
たとえば、著名なオンラインショップの一部はWooCommerceを活用しています。これにより、ユーザーは安全かつ便利に商品を購入でき、ショップ運営者も簡単に在庫や売上の管理ができます。
ポートフォリオサイト
クリエイティブな仕事をしているプロフェッショナルには、ポートフォリオサイトの構築にCMSが大いに役立ちます。たとえば、Squarespaceは、デザイナーやアーティストが簡単に美しいポートフォリオを作るためによく使用されています。テンプレートの選択とカスタマイズが豊富で、短時間で魅力的なサイトを立ち上げることができます。
Squarespaceを導入することで、ビジュアルなデザインのテンプレートを直感的に使用し、コードを書くことなく、自分の作品を魅力的に展示できます。さらに、SEO対策機能やモバイルフレンドリーなデザインも導入されているため、検索エンジンでの露出を向上させつつ、閲覧者の体験を向上させることが可能です。これにより、新しい仕事の機会を得たり、プロフェッショナルネットワークを拡大したりすることができるでしょう。
コンテンツマーケティングとCMS
あらゆる領域で情報化が進む現代において、コンテンツマーケティングの重要性は日ましに高まっています。顧客は営業担当に問い合わせる前に概ね情報収集は終えていることが多く、いかに問い合わせの前に顧客の問題を解決するコンテンツを準備し、顧客にリーチさせるかが重要になっています。
顧客の多様な問題意識に対して漏れなくコンテンツを整備するのにCMSは欠かせないツールです。新たに生まれた情報ニーズがあれば速やかにコンテンツを追加したり、時代に合わせて情報ニーズが変われば適宜コンテンツの内容を再編集したり。そうした作業をスムーズに行うためにはCMSでのコンテンツ管理が必須となります。
まとめ
この記事では、CMS(コンテンツ管理システム)についてその基本概要から、主要な種類、メリットとデメリット、選び方、そして活用法までを幅広く解説しました。
CMSは多様な機能を持ち、企業のホームページやブログ、オンラインショップなどさまざまな用途に適しています。その一方で、初期設定の難しさやライセンス費用などのデメリットも存在します。
適切なCMSを選定するためには、目的に応じた選定ポイントやコスト、カスタマイズ性、サポート体制などを考慮することが重要です。この記事がCMS選びの参考となり、適切なコンテンツ管理を実現する一助となれば幸いです。
2024.07.03
顧客提案に新たな「武器」を。自社サービス名で売れるCMS「ant2 OEM」の魅力
新たな顧客を開拓すると、まず最初は小さな案件から取り組みをはじめ、徐々に信頼を蓄積して「本丸」を目指すのが今も昔も変わらぬビジネスのセオリーです。ITコンサルだとシステムの軽微な改修から、印刷会社やマーケティング会社なら小冊子やSNSキャンペーン等から、徐々に取引を拡大していきます。
しかし技術が進化する中、いきなり「本丸」へ抜けられる裏道も生まれています。それが企業の情報発信の要となるWebサイト(ホームページ)の制作を請けること。これまではWebサイト制作は専門のコーディング知識やデザインスキルが必要でしたが、今はノーコード制作の時代。予めデザイン・コーディングが実装済みのCMS(Contents Management System)をベースに、パワポを操作するようにカスタマイズしていけば完成します。
「どんな顧客に、どんなメッセージを伝えるべきか」を議論しながら、クライアントと共に企業サイトを創りあげる中で、顧客理解は自然と深くなります。また情報発信の「要」であるWebサイトを押さえることで、そこを基点としたあらゆる施策の提案が可能となり、顧客LTVの最大化を実現できます。自社の提案に「Webサイト制作」を追加することは、想像以上のメリットがあるのです。
自社サービス名で売れる安心の国産CMS
顧客の情報発信の基盤となる企業サイトを作るなら、万一の時も日本語でサポートしてもらえる「国産」CMSが安心。弊社が提供する「ant2 OEM」は、国内28,000サイト以上に導入され、あらゆる業種・規模の日本のお客様の「声」に磨き抜かれてきたサービスです。
その安心感と、高いデザイン性・機能性。そして何より「自由な名称・価格設定で売れる」点が喜ばれ、既に330社を超える代理店様が日々、自社の顧客にWebサイト制作のサービスを提供しています。
たとえば自社がペンギン広告社なら「ペンギンホームページ」など自由なサービス名称を掲げて顧客に提案ができます。また月額の仕入れ代(サーバ・ドメイン・システム利用料含む)は2,000円~4,000円程度で、そこに自由に自社利益を乗せて提供できます。売り先が増えるほど、毎月の固定収益が積みあがっていきます。
「見たまま編集」で直感的に操作できる
操作は簡単で、昨日入った新入社員でもサイト更新作業が可能です。画面をみながらダブルクリックや右クリックのマウス操作をするだけで、パワポ感覚でみるみるサイトができあがります。
操作が簡単ということは、提案側も利用側も、関わる人の学習コストがほぼかからないということ。新しい人が入るたびに操作の説明をイチからするような手間は一切必要ありません。一度納品すればクライアント側で日々の更新も行えるので、手離れよくビジネスが進みます。
圧倒的にお洒落なデザインが500種類以上
デザインもあらゆる業種に対応できる500以上のデザインテンプレートが準備されているので、イメージに合うものを選択し、そこに自社の画像素材を入れていくだけ。またテキストや画像のひな形パーツなどのコンテンツパーツも430以上実装され、それらは日々自動で追加・アップデートされていきます。
28,000サイト以上に導入される中で出てきた、数々のご要望が反映された集大成のCMSなので「これがしたい・・」を先回りして備え付けています。
豊富な機能で「あれもしたい・・」が全て叶う
サイトを運営していく中で、導入時には想定してなかった「あれもしたい」が出てくるのはビジネスの常。過去の要望は既に解決・実装済みなので、大抵の追加要望には対応可能です。
「ant2 OEM」で自社の提案に新たな「武器」を。
顧客の「本丸」に直結し、ビジネスを飛躍させる「ant2 OEM」は自社の強力な武器となります。しかもその武器は日々自動でアップデートされ、扱う内にその切れ味はどんどん増していきます。
スムーズに営業活動を開始できるよう、サービスを理解するスタートアップ研修や営業販促ツールも充実しているのでITスキルに自信のない方でも安心です。またすべての操作方法に対してマニュアルも完備されており、それでも解決方法がわからなければサポートチームに日本語で相談可能です。
2024.07.02
企業サイト向きのCMSとは?失敗しない選び方と導入メリットを解説
情報社会で「先手」をとるために、企業のコーポレートサイトの制作は手軽に更新・修正ができるノーコードのCMS導入が主流です。しかし選択肢が多く、どのCMSにすればよいか迷う人も多いでしょう。
CMSはそれぞれ目的をもって開発されていますので、自社が作りたいコーポレートサイトの目的に合ったCMSを選択する必要があります。一度導入すると簡単に切り替えられないので、正しい理解が必要です。
そこで本記事では、失敗しない企業サイトのCMS選びに必要な知識をお伝えします。基本的な理解から選ぶポイント、また具体的なプロダクト紹介までまとめていますので、最後まで読んで最適なCMS選びに活かしてください。
CMSとは
CMSとは「Contents Management System」の略で、プログラミングの知識がなくてもWebサイトの制作や管理、コンテンツ更新を可能にするシステムです。多くの場合、プログラミングの専門知識がない人でも直感的な操作でコンテンツを更新できるので、情報の更新頻度の高さが求められる昨今の企業サイトにおいては有効です。
CMSの主な機能には、コンテンツの作成・編集、公開スケジュールの管理、ユーザー権限の設定などがあります。また、SEO対策に役立つ機能を備えたツールが多いため、検索エンジンでの上位表示も目指しやすくなります。
CMSは、オープンソースCMSと商用CMSの2つに大別できます。
オープンソースCMS:誰でも無料で使える
オープンソースCMSは、無料で利用できるソフトウェアです。誰でもソースコードにアクセスできるため、自由に改変やカスタマイズが可能です。
無料なので利用者が多いため、機能を拡張するプラグインやカスタマイズのノウハウがインターネット上に豊富に存在します。自らセキュリティのプラグインをインストールして設定するなど、Web制作の知識と一定の手間が必要にはなりますが、その分自由度が高いのが特徴です。
商用CMS:企業が独自に開発
商用CMSは、特定の企業や開発者が独自に開発し、主に商用目的で提供される有償のシステムです。多くの場合、オープンソースCMSよりも特定のビジネスニーズに対応した機能やサポートが充実しており、直感的でわかりやすい操作性も備えています。
また必要な機能は予め備え付けてあるため、オープンソースCMSに比べて初期設定やプラグインなどの設定が最小限で済み、セキュリティ面でも高い安全性を持つのも特徴です。
企業向けに設計されているため、セキュリティアップデートやパッチが迅速に提供されるほか、専門家によるセキュリティ監査も行われます。これにより、データ保護やコンプライアンス要件に対応しやすくなります。
商用CMSには、提供する企業がサーバーを管理してサービス提供する「クラウド型」と、CMS導入側の企業がサーバーを管理する「オンプレミス型」が存在します。前者は常に最新のバージョンで操作でき、また月額費用も比較的抑えられるのが特徴です。後者は初期費用は高めですが、月額費用はかからない場合もあります。
企業サイトをCMSで運営するメリット
企業サイトの運用担当者にとって、CMSの導入には学習コストの削減や更新スピードのアップなど多くのメリットがあります。
Webサイトの微修正やニュースリリースの追加などを外部のホームページ制作会社に委託して作業する場合、費用も時間も都度発生するため更新自体が滞りがちになりやすいですが、現在の企業サイトは情報鮮度が命。自分たちの手元でクイックにサイト更新するために、まず検討したいのがCMSです。以下代表的な5つのメリットをご紹介します。
1:専門知識なしでも操作できる
CMSを利用する最大の利点の一つは、専門的なコーディング知識がなくても誰でも簡単に操作できる点です。多くのCMSは直感的なユーザーインターフェースを持っており、HTMLやCSSといったマークアップ言語やPHP、JavaScriptなどの専門的な知識がなくても簡単にコンテンツの更新やページの追加が可能です。
このため、更新作業をアウトソーシングせず、自社内で効率的に行いたい企業にとって大きなメリットとなります。CMSを用いることで迅速な情報発信やSEO対策も容易に行えるため、競争力の向上にも寄与します。
さらに、技術的な問題の迅速な解決、カスタマーサポート、トレーニングなどを行う専用のサポートサービスが付随していることもあります。これらのサポートを受けることで、企業は、信頼性の高い運用を確保することができます。
2:サイト構築の手間・コストを削減
CMSを導入することで、サイト構築の初期段階から運用までの工数や費用を大幅に削減できます。テンプレートやプラグインを効果的に活用することで、ゼロからデザインや機能を開発する手間が省け、結果として時間とコストを大幅に節約できます。
特に企業が開発した商用CMSの場合、特定の業界ニーズに合わせたデザインフォーマットや機能が予め実装されているため速やかにWebサイト制作が進みます。ゼロからホームページ制作会社で構築する場合、数百万規模の費用と半年程度の時間がかかりますが、商用CMSだと100万円程度/年と2~3ヶ月程度で抑えられることが多いです。
3:編集や更新作業が大幅に効率化される
CMSを導入することで、ウェブサイトの編集や更新作業は大幅に効率化されます。多くのCMSは、WYSIWYG(What You See Is What You Get)エディタを備えており、新入社員など技術スキルがそれほど高くないメンバーでも直感的にページの編集が可能です。
これにより、専門的な技術スタッフを常時必要とすることなく、運用にかかるリソースを大幅に削減できます。また社内の誰でも手軽に情報更新できるため、出すべき情報をリアルタイムで顧客に届けることができ、自社のビジネスも加速します。
4:運用体制の管理がしやすい
CMSは、企業のWebサイト運用において権限管理のしやすさにも優れています。これにより、コンテンツ作成者、管理者、SEO担当者、デザイナーなど、様々な立場の担当者が効率的にサイト管理を行えます。役割ごとに異なる権限を設定することで、セキュリティを強化しつつ業務効率を向上させることが可能です。
さらに、編集者一人ひとりの責任範囲を明確にすることで、エラーリスクを最小限に抑えることができます。このような管理システムを構築するのはかなり専門的な知見が必要になるため、予め実装されたCMSを選択すると便利です。
5:使いやすいマーケティング機能が用意されている
CMSには、SEO対策、解析ツール連携、メールマーケティング機能が標準装備またはプラグインとして提供されています。これにより、企業のWebサイト制作・運用担当者は、マーケティング活動を効率化できます。
たとえばSEOプラグインを使用すると、ページごとのSEO設定が手軽に行えます。さらに、アクセス解析ツールとの連携により、ユーザー行動を詳細に把握・分析できるため、コンテンツの質と効果を迅速に改善するPDCAが可能になります。企業にとって、これらの機能はマーケティング戦略の強力なサポートとなり、売上向上にもつながります。
上場企業で使われているCMSとは
上場企業で多く使用されているCMSは、その信頼性と機能性から広く支持されています。例えば、WordPressやDrupalなどはスケーラビリティとカスタマイズ性に優れているため、多くの上場企業で採用されています。
これらの主要なCMSは、企業の規模や業種に関わらず効率的なWebサイト運営をサポートします。以下に上場企業で使われている主なCMSを10個ピックアップします。
WordPress
WordPressは圧倒的な世界シェアを誇るCMSで、その使いやすさ、拡張性、カスタマイズ性が魅力です。大企業からスタートアップまで幅広い企業が採用しており、豊富なプラグインとテーマにより専門知識がなくても簡単に機能を追加・変更できます。
特にSEO対策やECサイト構築など多様なニーズに応じたソリューションが揃っており、多くの企業のWebサイト制作・運用担当者に支持されています。ただ利用者が多いためハッキングで狙われるリスクも高く、セキュリティ対策が必要になります。社内にWeb制作についてある程度詳しい人材がいる場合に検討したい選択肢です。
ShareWith
野村インベスター・リレーションズ株式会社が提供する日本発のCMS、ShareWithは、企業向けに特化した豊富な機能を備えています。IRに強い点が特徴で、編集から公開まですべてのページを「マニュアルレス」で社内完結できる仕様となっています。
加えて、直感的に操作できるインターフェースと高い柔軟性を持つため、社内での運用が容易でカスタマイズの自由度も高いです。これにより、ウェブサイト制作・運用担当者が効率的に業務を行える環境を提供します。
Movable Type
Movable Typeは、企業のWebサイト制作・運用担当者にとって信頼性が高いCMSで、国内で5万サイト以上に導入されています。その特長は安定性とセキュリティの強さにあります。構造化されたデータ作成を可能にする「コンテンツタイプ機能」を備えており、多くのコンテンツを管理する場合にも優れたパフォーマンスを発揮します。
また、大規模なデータベース管理や複数のユーザー権限設定が可能で、企業サイトとしての利用にも非常に適しています。これにより複雑なWebサイト構築もスムーズに行えます。また、プラグインは提供するシックス・アパート社のパートナー企業が開発しており、高い信頼性を確保しています。
Drupal
Drupal(ドゥルーパル/ドルーパル)は、エンタープライズ向けの高いカスタマイズ性と柔軟性を持つオープンソースCMSです。最新のDrupal 10では標準で100近い言語に対応し、様々なデバイスに向けた多言語での情報配信が可能です。大規模なサイトの運営が効率的に行えるため、多くの企業や政府機関、大学、NGOなどで採用されています。
一般的なCMSに比べて高い汎用性を持ち、会員制サイトやイントラシステムなど複雑なシステムを構築できるフレームワークです。また大きな組織の中でガバナンスを維持しながら大量のコンテンツを管理する際に便利です。
BlueMonkey
クラウドサーカス株式会社が提供するBlueMonkeyは、日本企業向けに開発された直感的な操作性を持つ国産CMSです。企業のWebサイトを制作・運用する担当者にとって最大の魅力は、誰でも簡単に使えることによるWeb担当者の負担軽減にあります。
また運営母体であるクラウドサーカスは多数のクライアントに対しSaaSツールやマーケティングのコンサルティングを提供しているため、その知見を活かした豊富なサポート体制も魅力のひとつです。不意のトラブル発生時にも迅速に対応できるため、安心して利用できます。
HeartCore
2024年6月現在、国内で700社以上の導入実績を誇るHeartCoreは企業のコーポレートサイトに適したCMSであり、その主な特長は堅牢なセキュリティとパフォーマンスの優れたバランスです。「現時点で考えうるセキュリティ対策に関しては全て対応済み」と名言し、公式サイトの情報によれば販売開始からWebサイトのハッキング数は0件。銀行や交通機関など、高度なセキュリティを必要とする企業から支持されるCMSです。
さらに、HeartCoreはヒートマップや検索キーワード分析機能が標準で付いており、ユーザーがどの部分に興味を惹かれ、どこで離脱したのかがわかるため、ユーザーニーズに合ったコンテンツ改善を積み重ねていけます。
TYPO3
ドイツで開発されたTYPO3は、柔軟性に優れたフリーのオープンソースCMSで、大規模プロジェクトに適しています。このCMSは多言語対応や多サイト管理機能を備えており、国際的な展開を目指す企業に適しています。
また、TYPO3は豊富な拡張機能を持ち、豊富なアドオンの追加によるカスタマイズの自由度が高い点も特長です。複雑な要件にも柔軟に対応できるため、効率的なサイト運営が期待できます。
はてなブログMedia
株式会社はてなが提供するはてなブログMediaは、使いやすさとカスタマイズ性のバランスが取れている国産CMSです。リクルートや楽天、メルカリなど、ベンチャーから大企業まで140社以上に幅広く導入されています。
特に企業がブログメディアを展開する際に適しており、既存のはてなブログユーザーにも親しみやすい点が魅力です。書きやすいインターフェースに加え、AIタイトルアシスト機能や豊富なデザインテンプレートが充実しています。
NOREN
NORENは、株式会社アシストによってエンタープライズ向けに開発された日本発のCMSで、AGCや関西電力、大日本印刷など多くの上場企業で導入されています。導入時のトレーニングや日々のサポート体制も充実しており、専任担当者によるサポートセンターは平均98%以上のお客様満足度を誇ります。
DotNetNuke
カナダで開発されたDotNetNuke(ドットネットヌーク)は、Microsoft技術を基盤とした高度な拡張性を持つCMSです。企業レベルのアプリケーション統合を容易に実現し、柔軟なカスタマイズも可能で、全社、あるいは全世界向けのポータルサイト構築に向いています。プログラミングの専門知識がなくてもポータルサイトの構成変更が行える点も魅力です。
自社で企業向けCMSを選ぶ際の5つの基準
自社に合ったCMS選定のためには、費用はもちろんカスタマイズ性、セキュリティ、拡張性、サポート体制などを総合的に判断する必要があります。失敗しないCMS選びのために重視すべき基準を5つピックアップします。
基準1:自社の目的や規模に合っているか
CMSは様々な目的をもって開発されているため、自社のWebサイトの目的や規模に合ったものを選ぶことが何より重要です。大規模な企業の場合、多数の管理者がアクセス可能で、大量のコンテンツを効率的に管理できる高機能なCMSが求められます。一方、中小企業には、操作が簡単で効果的に運営できる軽量なCMSが理想です。
また自社のビジネス領域に特化した商用CMSがあれば真っ先にそれを検討候補に入れましょう。費用に関しては、導入時だけでなく更新などのランニングコストもしっかりと考慮に入れることがポイントです。
基準2:初心者でも簡単に操作できる
日々扱っていくツールであるCMSにおいて、「使いやすさ」こそ一番の機能性であるといえるかもしれません。たとえ今、専門知識のある人がいても、数年後には辞めているかもしれません。初心者でも直感的に操作でき、ドラッグ&ドロップ機能や豊富なテンプレートがあるサービスが安心です。
また、操作画面がわかりやすく、トレーニング動画やガイドが充実しているCMSは運用効率を大幅に向上させます。新人が入るたびにWeb担当者の教育リソースがとられるような状態は避けましょう。
基準3:セキュリティが堅牢
企業サイトにおいてはセキュリティ確保は最優先事項であり、CMS選びにおいても最新のセキュリティ対策を施しているものを選ぶことが肝要です。具体的には、定期的なセキュリティアップデートを実施しているかどうか、多層的なセキュリティ対策(ファイアウォールやSSL証明書など)、またバックアップやリストア機能などを提供しているかを確認しましょう。
WordPressなどでもプラグインを利用して強化できますが、セキュリティ面ではオープンソースよりも商用CMSに軍配が上がります。顧客データや社内の機密データ漏洩を防ぐためにも、慎重な検討が必要です。
基準4:サポートの充実
万一トラブルが発生した場合でも、万全な技術サポート体制が整っていれば迅速な問題解決が可能です。たとえば、商用CMSの多くが備えている24時間体制の電話やチャットサポートを利用することで、緊急時の対応が容易になります。
オープンソースのCMSでは企業が直接サポートしてくれるわけではありませんが、オンラインコミュニティやフォーラムでの情報交換が活発なCMSが多く、追加のサポートとして非常に有用です。
基準5:顧客獲得や売上向上を実現できる
企業サイトを通じて顧客獲得や売上向上を目指すためには、マーケティング機能やSEO対策が充実しているCMSの選定が不可欠です。例えば、メタタグの編集が容易なCMS、SNS連携機能を備えたCMS、解析ツールと統合できるCMSは、効果的なマーケティング活動をサポートします。
これらの機能を活用することで、サイトの訪問者数の増加やコンバージョン率の向上が期待できます。また、SEO対策においては、検索エンジンでの上位表示が狙えるため、顕在顧客獲得に直結します。
【目的別】企業におすすめのCMSツール6選
企業Webサイトの制作や運用を担当する皆様にとって、適切なCMSの選定は業務効率を大幅に左右する重要な段階です。目的やニーズに最適なツールを選ぶことで、Webサイトの運用効率やパフォーマンスが大きく向上します。ここでは、企業の異なる目的に応じたおすすめのCMSツールを6つ紹介します。各ツールの特長や導入メリットを理解し、自社に最適な選択を行うことが成功への鍵です。
様々な顧客に対して、サイトを提供したい:ant2 CMS
株式会社アントアントが提供するant2 CMSは、初心者や技術的な知識が少ないユーザーにも直感的で使いやすい設計がされているCMSです。数百種類に及ぶ自社開発のデザインテンプレートをはじめ、オンラインショップの開設、会員管理、メルマガ管理、LINE連携など、ビジネスに必要な多様な機能が標準搭載されています。利用者数は全国で28,000件以上と多く、様々な業界や企業規模に対応しています。
またOEMでの販売に力を入れている点も特徴で、好きな名前を付けて自社サービスとしてCMSを使ったサイト制作サービスを提供することができます。たとえばあなたがペンギン広告社の社長なら「ペンギンホームページ」のようなサービス名称で取引先に提案することができます。
顧客マーケティングに強いサイトを作りたい:ferret One
ferretOneはマーケティングに特化したCMSで、特にB2Bマーケティングにおいて強力なツールです。そのリードジェネレーション機能は非常に充実しており、フォーム作成、メールマーケティング、SEO対策、分析機能といった多彩な機能を一括で提供します。これにより企業はターゲットユーザーを効率的に集め、投資利益率を最大化できます。
さらに、ferretOneは直感的な操作が可能なため、マーケティング知識が浅い担当者でも簡単に使いこなせるのが特徴です。この利便性により、リソースの少ない中小企業でも手軽に高度なマーケティング活動を実施できます。
ferretOneを活用することで、Webサイトの効果的な運用が実現し、企業のマーケティング戦略を一層強化できます。
汎用的で拡張性のあるサイトを作りたい:WordPress
WordPressは、世界で最も利用されているCMSの一つで、非常に柔軟性が高いのが特徴です。多くのプラグインやテーマが提供されており、企業の多様なニーズに対応できます。たとえば、ブログ機能を強化したり、ショッピングカート機能を追加したりする際にも、必要な機能を簡単に拡張できます。
また、豊富なプラグインにより、SEO対策やセキュリティ強化も手軽に行えます。さらにユーザーコミュニティも大きく、サポートが充実しているため、初心者から上級者まで多くの方に愛用されています。CMSの選び方や導入メリットを考える際には、多機能なWordPressが非常に有力な選択肢となるでしょう。
IRに強いサイトを作りたい:ShereWith
ShereWithは、IR活動に特化したCMSです。たとえば、IR情報の一覧表示やファイルダウンロード機能により、投資家に重要な情報を効率よく提供できます。さらに、法定開示資料のアップロードや企業の財務情報の掲載といった高度な機能も備えています。
これにより、企業の信頼性を高めるための強力なツールとなります。直感的な操作で、リアルタイムでの情報更新も簡単に行えるため、Webサイトの運用がスムーズになります。
お洒落で使いやすいECサイトを作りたい:Shopify
Shopifyは、企業のウェブ担当者が求めるデザイン性と扱いやすさを兼ね備えたECサイト向けのCMSです。多様なプロフェッショナルテンプレートが用意されており、直感的な操作で高品質なECサイトを迅速に構築できます。また、決済システムや在庫管理システムなど、ECサイト運営に必要な機能が一元管理可能なため、運用コストの削減が期待できます。
さらに、柔軟なカスタマイズが可能で、さまざまな規模のビジネスニーズに対応できる点も魅力です。Shopifyを導入することで、効率的な運営と高度なデザイン性を実現し、競争力のあるECサイトを構築できます。
セキュリティが堅牢なサイトを作りたい:Joomla!
Joomla!はオープンソースでありながらセキュリティに特化したCMSで、世界政府関連機構などでも利用されています。豊富な拡張機能を無償で利用できるため、コストパフォーマンスが非常に高いのが特徴です。
堅固なセキュリティに加えて、ユーザー管理機能も充実しており、複数のユーザーが共同でコンテンツを作成・管理する際にも安全です。特に、中小企業や予算に制約がある企業にとって有効な選択肢です。
自社の目的に合ったCMSを選んで事業を発展させよう
企業のWebサイトは、ブランドイメージの構築や顧客との円滑なコミュニケーションを実現するための重要なツールです。中小企業において、効果的なWebサイト運営は事業成長の鍵となります。
CMSは、企業の具体的な目的やニーズに合わせたツール選定が不可欠です。CMSの導入により、コンテンツの更新が容易になるため、タイムリーな情報提供が可能となり、SEO対策にも有利です。さらに、レスポンシブデザイン対応やプラグインの拡張性など、機能面でも大きな利点があります。
正しいCMS選びによって、効率的かつ効果的にWebサイトを運用し、ビジネス競争力を高めましょう。
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