2025.06.11
「Gmail にメールが届かない」を解決!
こんにちは。
アントアントのメルマガ担当です。
いつもメールマガジン「ここだけは知っておきたい編」をご覧いただき、誠にありがとうございます。
今回は「Gmailにメールが届かない問題」について取り上げ、その原因と、ant2CMSでの対処方法を詳しくご紹介いたします。
「送信された内容が届かない」「迷惑メールに入ってしまう」といったご相談を多くいただいており、特にビジネス上の機会損失にもつながる重要な課題です。今回はその問題の背景から、CMS上での改善方法まで、わかりやすくご案内いたします。

なぜGmailに届かないのか?
問題の背景
最近のGmailはスパムフィルターが非常に厳格になっており、2024年2月以降、Gmailでのメール受信に関して新たなガイドラインが適用されました。
これにより、下記のような要因で正しいメールでも受信拒否されるケースがあります。
- Gmailの受信側での自動振り分け設定やフィルター
- メール本文にスパムと誤解されやすい表現がある
- 送信ドメインの信頼性が低い
- フォームからの送信元メールアドレスが「なりすまし」と判定される
- SPF/DKIM/DMARCの設定が正しくない、または設定していない
このような状況下で、メールが迷惑メールフォルダに入る、またはそもそも届かないという問題が起きています。
1.Gmailの受信側での自動振り分け設定やフィルター
受信者自身が過去に同様のメールを「迷惑メール」と手動で振り分けたことがある場合、学習アルゴリズムにより以後も同様のメールがブロックされやすくなります。
また、企業のGoogle Workspaceでは、管理者側で特定のドメインや形式のメールをブロックしている場合もあります。
2.メール本文にスパムと誤解されやすい表現がある
- 本文に「緊急」「無料」「キャンペーン」など、スパムと誤解されやすい文言が含まれている
- HTML形式で画像やリンクが多い構成
- メールに署名がない・形式が不統一
これらもスパム判定の一因となり、迷惑メールフォルダ行きや、非表示処理がされる原因になります。
3.送信ドメインの信頼性が低い
新しく取得したばかりのドメインや、過去にスパム送信歴があるドメインは「信頼スコア」が低くなっています。
また、無料のメールアドレス(例:@gmail.com, @yahoo.co.jp)をフォームの通知メールに使用すると、信頼性の低い送信と見なされる場合があります。
4.送信元メールアドレスが「なりすまし」と判断される
入力者のメールアドレスを「送信者」として設定しているケースが多くあります。
しかし、これは送信元サーバーとアドレスの整合性が取れず、Gmailではなりすまし(spoofing)メールと判断されやすくなります。
例:サーバーは「ant2oem.net」から送っているのにメールの送信者は「example@gmail.com」となっている
このような矛盾は、迷惑メールと見なされる要因です。
5.SPF/DKIM/DMARCの設定が正しくない、または設定していない
これらはメールが正当な送信元から送られたことを証明する仕組みです。
- SPF(Sender Policy Framework):このドメインから送ってよいサーバーをDNSで宣言
- DKIM(DomainKeys Identified Mail):暗号化された電子署名によりメール改ざんを防止
- DMARC(Domain-based Message Authentication, Reporting, and Conformance):SPFやDKIMの失敗時にどう処理するかを定義
これらの設定がされていない、あるいは誤っていると、Gmail側は信頼できない送信元とみなし、受信を拒否します。
Gmailで受信できないときの解決策
1.Gmailの受信側で設定を行う
2.迷惑メールと判断されにくいメール文面・構成にする
3.ドメインを取得して長期的に運用する
4.送信元(From)は、自社ドメインの正規アドレスを固定
5.SPF / DKIM / DMARCを正しく設定する

1.Gmailの受信側で設定を行う
最終的に迷惑メールフォルダに入るかどうかは、受信者の環境に左右されます。
以下のような対応で振り分けを設定できます。
- Gmailで迷惑メールフォルダを確認し、「迷惑メールでない」をクリック
- メールアドレスを連絡先に登録
- Google Workspace環境であれば、『ホワイトリスト登録(管理者設定)』を依頼
2.迷惑メールと判断されにくいメール文面・構成にする
- メールの件名・本文に過剰なマーケティング表現を避ける(例:「今すぐ登録」「100%無料」「限定オファー」など)
- 英語・全角記号・絵文字・感嘆符(!!!)の多用を控える
- HTML形式の装飾を減らし、プレーンテキスト主体で構成する
- 本文の構造はシンプルに『宛先名』『内容の要点』『問い合わせ先情報(会社名・電話・署名)』
- 必ず署名や送信元の正規情報を含める
3.ドメインを取得して長期的に運用する
ドメインを取得して長期的に運用することで信頼度を自然に高められます。
以下のような対応を行うことで信頼性が高まります。
- 大量送信やスパム送信をしない。メルマガなどは正規の配信サービスを使う(SendGrid、Mailchimp など)
- SSL証明書の導入、Whois情報の整備など、ドメインの総合的な整備を行う
4.送信元(From)は、自社ドメインの正規アドレスに固定
例(正しい設定):
送信元(From):aaa@ant2oem.net
送信元サーバー:ant2oem.net
メール受信側(Gmailなど)は「送信元のサーバーとFromアドレスが整合している」と判断でき、なりすましとは見なされません。
5.SPF / DKIM / DMARCを正しく設定する
下記のようなレコードを記述することで正当な送信元から送られたと証明できます。
SPF:v=spf1 include:_spf.google.com ~all
v=spf1
:SPFのバージョン指定(必須)include:~
:使用しているメールサービスのSPFを参照~all
:上記に該当しない送信は「soft fail」(迷惑メール扱いされる可能性あり)
DKIM:DKIM-Signature: v=1; a=rsa-sha256; d=yourdomain.com; s=default; ...
設定手順
- メール送信システム側で「鍵ペア(公開鍵・秘密鍵)」を生成
- 公開鍵をDNSにTXTレコードとして登録
- 送信時に秘密鍵で署名を付加
DMARC:v=DMARC1; p=quarantine; rua=mailto:dmarc-report@yourdomain.com
v=DMARC1
:DMARCバージョンp=
:ポリシー:none
(監視) /quarantine
(迷惑メール) /reject
(拒否)rua=
:レポート送付先メールアドレス
ant2CMSでの設定・解決方法
最近は特にお問い合わせフォームからのメールがGmailで届かないというご相談が増えています。
ant2CMSをご利用の場合、編集画面からの設定見直しで対策が可能です。以下の手順に沿って設定を確認・修正できます。
お問い合わせなどのCMSを利用したメールフォームの送信先メールアドレスの設定が
メールフォームのサイトのドメインと異なる設定(Gmail)をされている場合はSPFレコードの設定ができないため、
サイトのドメインでのメールアドレスに変更いただければ問題なく受信いただけます。
★CMSからのメール送信時の送信元メールアドレスは下記よりご確認いただけます。
【メールフォーム】
【オンラインショップ】
【会員管理】
まとめ
メールがGmailで届かない問題は、メールの「送信元の信頼性」と「内容の明瞭性」が重要なポイントです。
1.Gmailの受信側で設定を行う
2.迷惑メールと判断されにくいメール文面・構成にする
3.ドメインを取得して長期的に運用する
4.送信元(From)は、自社ドメインの正規アドレスを固定
5.SPF / DKIM / DMARCを正しく設定する
これらを適切に設定いただくことで、Gmailへの到達率は大幅に向上します。ぜひ一度ご確認ください。