CMS導入のデメリットとは?Web担当者が押さえるべきポイントと回避策をわかりやすく解説

2024.08.08

CMS導入のデメリットとは?Web担当者が押さえるべきポイントと回避策をわかりやすく解説

顧客はもちろん、採用・株主など全てのステークホルダーとの接点となるWebサイトは、近年ますますその重要性が高まっています。スピーディな情報更新が求められる中、その更新作業の手間とコストを大幅にカットできるCMS(Content Management System)は、企業活動に欠かせないものになっています。

CMSには数多くのメリットが存在する一方で、当然デメリットも存在します。企業のWeb担当者としてCMSの導入を検討している方にとって、その利便性だけでなくデメリットについても正しく理解した上で、自社のビジネスにとって最適な選択肢を選ぶことが肝要です。

本記事では、CMSを導入する際に直面しがちなデメリットを詳しく解説します。具体的には、学習コストやカスタマイズの自由度、維持管理にかかる手間、セキュリティリスク、そしてイレギュラーなページが作りにくい点について取り上げ、それらのデメリットを回避するための具体的な対策も紹介します。

CMSとは:定義と利用シーン

CMSは「コンテンツ・マネジメント・システム」という原語が意味する通り、Webコンテンツを簡単に作成、編集、管理できるソフトウェアです。HTMLやCSSの知識がなくても、ユーザーはコンテンツをドラッグ&ドロップやテンプレートを用いて構築することができます。主に企業のコーポレートサイトやブログ、ECサイトなどで活用されています。

CMSの基本的な機能

代表的なCMSには、次のような基本的な機能があります。

  • コンテンツ編集機能:リッチテキストエディタを使って、テキストの装飾や画像の挿入が簡単に行える。
  • テンプレート管理:サイト全体のデザインを統一するためのテンプレートの利用が可能。
  • ユーザー管理:複数のユーザーがそれぞれ異なる権限でコンテンツの作成・編集が行える。
  • プラグイン追加:必要に応じて機能を追加できるプラグインが利用可能。

CMSの利用シーン

CMSがどのような場面で活用されるかを具体例を挙げて説明します。

利用シーン 詳細
企業のコーポレートサイト 手軽に更新・修正ができるため、最新の情報を常に発信できます。また、デザインの一貫性が保たれ、ブランドイメージの向上にも寄与します。
ブログ 個人から企業まで幅広く利用されており、多彩なテンプレートやプラグインにより、記事の公開が迅速かつ容易に行えます。
ECサイト 商品の掲載や更新がスムーズに行えるため、販促活動の効率化が図れます。また、ショッピングカートや決済システムとの連携が簡単に設定できます。

主要なCMSの紹介

以下に、代表的なCMSをいくつか紹介します:

  1. WordPress:世界中で最も利用されているCMSで、多様なプラグインとテンプレートが揃っています。
  2. Joomla!:複雑なサイト構築が可能で、企業や非営利団体のウェブサイトに適しています。
  3. Drupal:柔軟なカスタマイズが可能で、大規模なWebサイトに向いています。

以上のように、CMSはさまざまな用途に対応しているため、自社のニーズに合ったものを選択することが重要です。また、導入後も適切に運用し、デメリットを最小限に抑える工夫が求められます。

CMS導入のデメリット

さて、ここから企業のWeb担当者が押さえておきたい、CMS導入のデメリットについて解説していきます。

デメリット1:学習コストが高い

新しいシステムへの習熟が必要

CMSはさまざまな機能が搭載されており、それを十分に活用するためには新しいシステムへの習熟が必要となります。新しいインターフェースやツールの使い方を学ぶことは、特に初めてのユーザーにとっては時間と労力を要する負担です。

また、新しいメンバーが入ってくるたびに既存の社員やシステム担当者がCMSの使い方を指導する必要があれば、その指導コストも都度考慮に入れる必要があります。

操作が複雑になるケースも

多機能なCMSは便利ですが、一方で操作の複雑化につながることもあります。特に、専門的な知識がないユーザーにとっては高度なカスタマイズを行う際に使いにくさを感じることも少なくありません。

将来的に用途が広がることも想定して、高額で多機能なツールを選定したばかりに、結局誰も使いこなすことができずに放置状態になってしまう。ということは往々にして起こりがちなので、メンバーのデジタルリテラシーなども考慮した上で選ぶようにしましょう。

デメリット2:カスタマイズの自由度が限られる

プラグインやテーマの制約

CMSにはプラグインやテーマが多数提供されていますが、すべてのニーズに対応するわけではありません。特定の機能を持つプラグインやデザインを実現するためのテーマが見つからない場合、思い描いているサイトを作るのは難しくなるため、なるべく多くの種類が揃っているCMSを選んでおく方が安心です。

企業のWebサイト構築を目的に開発された商用CMSであれば、各業種ごとに最適なデザインテーマや必要な機能が一通り揃っていることが多いので、使っている最中に出てきた新たなニーズにも多くの場合は対応できることが多いでしょう。

技術的なスキルが必要になる場合がある

専門的なプログラミング知識がなくてもWebサイトを制作できるのがCMSの最大のメリットですが、業務を進めていく中でどうしても変更したい要素が出てくることがあります。そうした高度なカスタマイズを行うためには、HTML、CSS、JavaScriptなどの技術的なスキルが要求されます。

社内にエンジニアなどの専門家がいない場合は、その部分を外注で補う必要がありますが、当然一定の費用が発生します。なるべく柔軟に変更できるCMSを選ぶことでこうした出費は最小限に抑えることができます。

カスタマイズを重ねることによるパフォーマンスへの影響

多くのカスタマイズを重ねることで、サイトのパフォーマンスに影響が出ることがあります。たとえばプラグインやテーマを追加することでサイトの読み込み速度が低下する場合もあり、ユーザーエクスペリエンスに悪影響を及ぼすことがあります。

オープンソース型CMSの場合、プラグインは数えきれないほど開発されていますが、手当たり次第に追加していくとパフォーマンス低下を招くこともあるため必要最小限の機能追加に留めておくのが安全です。

デメリット3:維持管理に手間とコストがかかる

定期的なアップデートが必要

CMSのソフトウェアは定期的にアップデートが提供されます。このアップデートを行わないと、新しいセキュリティリスクに対応できないため、無視するわけにはいきません。しかし、アップデート作業は手間がかかり、場合によってはWebサイトの機能に影響を与えることもあります。

セキュリティ対策の維持

最新のセキュリティ対策を維持するためには、継続的なモニタリングと対応が必要です。これにもリソースと時間がかかります。これはもちろんCMSを使わないWebサイトでも同様ですが、セキュリティ対策を怠るとデータの漏洩や改ざんなどのリスクが発生するため、サイトを運営する以上は避けては通れない作業になります。

サポートコストの発生

運用上のトラブルや問題が発生した際には、専門的なサポートを受けるためのコストがかかります。特に中小企業にとっては大きな負担となることがあります。

特にサポートチームが常駐していることが少ないオープンソースCMSの場合、コミュニティのアドバイスを受けることは可能ですが、個別のピンポイントの問題に対してビビッドな回答を得ることは容易ではありません。商用CMSであれば充実したサポート体制を持つCMSも多いため、企業サイトなどの制作には商用CMSの方が安心です。

デメリット4:セキュリティリスクがある

脆弱性が発見される可能性

CMSは多くのユーザーに利用されているため、脆弱性が発見されやすくなります。脆弱性が悪用されると、ウェブサイトが攻撃を受けるリスクが高まります。

特にWordPressはインターネット上の全Webサイトの約40%を占めるといわれており、ハッカーから狙われる可能性も高いといわれています。ログイン画面のURLを変更できるセキュリティツールをはじめ、サイト制作前に万全のセキュリティ対策をとる必要があります。

プラグインやテーマの安全性も確認すべき

CMSの機能拡張として多用されるプラグインやテーマも同様に脆弱性が存在する可能性があります。導入前に十分な安全性を検証する必要があります。

世界中の有志が開発するオープンソース型のCMSの場合、プラグインの開発者の身元も不明になるのでどうしても不安は残ります。企業サイトなど確実性が求められるサイト制作には商用CMSの利用が安心です。

デメリット5:イレギュラーなページが作りにくい

独自レイアウトの制約

CMSの既存テンプレートでは、特定のデザインやレイアウトを実現するのが難しい場合があります。独自のレイアウトを実現するためには、カスタマイズが必要になりますが、それにはプログラミングなどの高い専門知識が要求されます。

ただ、CMSによってレイアウトの多様性は大きく異なるため、豊富なレイアウトパターンを持つCMSを選択することでコンテンツ制作に自由度を持たせられ、読者にも毎回新鮮な印象を与えることができるでしょう。

一貫性の維持が困難

多くのカスタマイズを行うと、サイト全体の一貫性を維持するのが難しくなります。異なるデザインや機能が混在する状態になることで、ユーザー体験が損なわれる可能性があります。

小さなカスタマイズでも、サイトを長期に運営していくと次第に大きな乖離につながっていくため、作業ごとに目的や変更内容などのログを残しておくことが重要です。

デメリットを回避するための対策

学習コストを抑えるための対策

学習コストを抑えるためには、何よりも説明書なしで操作性が理解できる直感的なCMSを選択する必要があります。それが難しい場合、以下のような学習方法でそれを補うことが可能です。

  • オンラインチュートリアルや動画講座を活用する
  • 専門書籍や公式ドキュメントを参照する
  • 社内での勉強会やトレーニングセッションを実施する
  • 外部のセミナーやワークショップに参加する
  • AIチャットボットでリアルタイムにサポートしてくれる機能を使う

動画講座の一例として、Udemyなどのプラットフォームを利用すると、短期間で必要なスキルを取得できます。

カスタマイズの自由度が限られることについての対策

カスタマイズの自由度を確保するためには、そもそも多様なデザインパーツなどを備えたCMSを選択すべきです。既存のCMSのカスタマイズの自由度を向上させるためには、以下の方法が挙げられます。

対策 説明
プラグインの選定 高評価で信頼性の高いプラグインを選ぶことで、機能拡張が容易になります。
カスタムコードの利用 必要に応じて独自のコードを追加することで、希望する機能を実装することが可能です。
専門家の助言 Web開発の専門家やフリーランスに依頼して、カスタマイズの支援を受けることも検討しましょう。

維持管理にかかる手間とコストへの対策

維持管理の手間やコストを抑えるためには、以下の対策があります。

  • 自動更新機能の活用:多くのCMSには自動更新機能が備わっています。この機能を活用することで、手動での更新作業を減らせます。
  • 定期的なバックアップ:定期的にバックアップを取ることで、システム障害やデータ消失のリスクに備えられます。バックアップの取り忘れを防ぐため、自動バックアップのシステムも活用しましょう。
  • メンテナンスのアウトソーシング:専門の業者にメンテナンスを依頼することで、時間とコストを節約できます。

セキュリティリスクへの対策

セキュリティリスクには常に注意が必要です。以下の対策を講じることで、リスクを最小限に抑えましょう。

  1. 定期的なセキュリティアップデート:公開されているセキュリティパッチを即時適用することで、脆弱性を早期に解消します。対応が遅れると、その分リスクにつながるので日時を決めて抜け漏れなく対応できる体制を整えることが肝要です。
  2. 強固なパスワードポリシーの設定:強力なパスワードを利用し、定期的に変更することで、アカウントの乗っ取りを防ぎます。退職者などからの漏洩も想定されるため、人員の入れ替わりのタイミングでもパスワード変更のルーティンを組んでおきましょう。
  3. 二要素認証(2FA)の導入:二段階の認証プロセスを追加することで、セキュリティを強化します。

イレギュラーなページが作りにくいことへの対策

不規則なレイアウトや特殊機能を持つページを作成するには、以下のアプローチを検討してください。

  • カスタムテンプレートの作成:テーマの柔軟性が不足している場合、独自のカスタムテンプレートを作成することも選択肢のひとつです。
  • プラグインの追加機能を活用:イレギュラーなページを簡単に作成することができるプラグインを利用します。
  • ショートコードの活用:簡単なコーディングで特定の機能やレイアウトを挿入することが可能です。

特に、カスタムテンプレートの作成は、難易度が高くても一度設定すれば繰り返し利用可能で、長期的なコスト削減にもつながります。

デメリットを最小化する選択:安心で高機能、リーズナブルな商用CMS:ant2

多くのメリットがある一方で、デメリットも存在するCMS。企業のWebサイト制作には、思わぬトラブルが起きた際も冷静・速やかに対処できる信頼性の高いCMSを選びたいもの。国内28,000サイトに導入されている国産CMS「ant2」は、多くの日本のユーザーの声に磨かれた安心のサービスです。

まず、気になる学習コストについては直感的な操作性を追求したUIになっているので最小限に抑えられます。クリック・ダブルクリックだけでサクサク制作が進んでいくので、デジタルが苦手な人でも安心です。

セキュリティ面についても、常時SSL化、ログイン時の2段階認証、reCAPTCHAによるスパム対策、定期的な脆弱性チェック、月次の自動アップデートなど、サイバー攻撃に対する備えが万全です。

さらに、430種類のパーツを備えており、HTMLの知識がなくても自由なレイアウトが可能でイレギュラーなページ制作にも対応。写真を横に3枚並べたり、写真と文章を並列に配置するなど、視覚的に印象的なページを簡単に作成できます。一般的なブログサイトは、写真とテキストを縦に並べることしかできないものが多いため、見た目で差別化を図れます。

加えて、500以上のデザインテンプレートやECショップ機能、無料のイメージ画像や画像加工ツールなども完備されています。サイト制作中に出てくる「あれもしたい」「これもしたい」という要望を、追加費用なしで叶えることができます

https://ant2.net/

また、CMSのOEM販売に力を入れている点も特徴で、既に330社を超える代理店様が日々、自社の顧客にWebサイト制作のサービスを提供しています。

https://ant2oem.net/column/2024/07/89799/

まとめ

CMS導入には多くのメリットがありますが、同時にいくつかのデメリットも存在します。学習コストが高い点、カスタマイズの自由度が限られること、維持管理に手間とコストがかかること、セキュリティリスク、そしてイレギュラーなページが作りにくい点などが挙げられます。

しかし、これらのデメリットは対応策を講じることで回避可能です。たとえば、ユーザー教育の充実やセキュリティ対策の強化、定期的な管理の徹底などが有効です。結局のところ、自社のニーズに合わせた適切なCMSを選択し、デメリットを把握した上で適切な対策を講じることで、CMSが本来持つメリットを最大限享受できます。

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